高齢になっても可能な限り持ち家に住み続け、介護が必要になったら施設に移ったり、子ども家族と同居──。高齢者の住まいと言えば、かつてはこんな流れが一般的でした。しかし高齢者の急激な増加に伴い、その形は多様化してきています。今回の相談者・百合子さんも、ひとりで暮らす父の住まいを今後どうすべきか考えあぐねているようです。話を聞いてみましょう。

 


年老いた親の住まいは今後どうする…?


母を亡くして早5年。仙台で暮らし続ける父の今後をそろそろ真剣に考える時期だと感じています。78歳になる父は要支援2。歩行の際に杖はつくものの、介護が必要な状態ではありません。ただ、高齢になると病気や骨折によっていきなり介護になることもあるようですし、最近よく話題に上がる「実家じまい」のこともあって、元気なうちに方向性だけでも決めなくては……と焦ってきました。

私は都内在住で、何かあってもすぐに駆け付けることができません。そろそろ近くに呼び寄せたいとも思いますが、自宅のスペース的に同居は難しく、老人ホームなどの施設に入るのもまだ早い気がします。そもそも父が、老人ホームに入居できるだけの蓄えを持っているのかも分かりません。ですが田舎の広い戸建に暮らすのは、そろそろ限界のようで……。

そんな話を友人の由美子にしたところ、こう言われたのです。

「うちの両親は群馬の実家を出て、都内のサ高住に移り住んできたのよ。車の運転も危なくなってきたし、田舎で暮らし続けるのも不安に思っていたみたいで、気力のあるうちに実家を処分しようということになってね。私たち兄妹がいる東京なら安心だし、そこまでお金もかからないからって、選んだのがサ高住だったの」

サ高住というのは、どうやら終の棲家とも言われる老人ホームとはまた少し違うようで、由美子いわく自由度も高い住まいなのだとか。父がそのサ高住に興味を示すか分かりませんが、先にどのようなところなのか教えていただけますか?

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全部で30万戸近く!サ高住ってこんなところ
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