NANANAさんからの質問
Q.
照れ屋の両親に、さりげない言葉で感謝を伝えたい

昨年父が病気したことと、年々親に対する感謝が強くなっていることから、親孝行というか、「父と母の子供に生まれてこられて本当に良かった、ありがとう」という気持ちをさりげなく伝えたいと思っています。母と電話で話していたとき、親孝行もののテレビ番組を見たという話を入り口にして、「私もありがとうと言わなきゃね」と言ってみたのですが、「うちはそんな言葉いらないのよ! そんなしんみりするの、お父さんは絶対嫌がるからやめなさい。そんなこと言わなくても充分伝わってるよ」と言われてしましました。照れ隠しではなく、本当にそういう“いかにも”なことが昔から嫌いな親なので、何となくストレートな伝え方は違うなと私も思っています。先生は娘さんからどういう言葉を言われると、感謝の気持ちが伝わってきて嬉しく思われますか?

特別ゲスト 小林照子さんの回答
A.
「転ばないで」でも「バランスよく食べて」でも、何でもいい。長生きしてほしい、という気持ちを伝えるといいですよ。

うちの娘はね、毎朝私が出かけるときに、「転ばないでね」と言うの。「そんなヒールの高い靴を履いて、大丈夫?」とか、「そんな長いコート着て、踏まないようにね」とか。それは、転んでから歩けなくなって、どんどん体が弱っていった人たちをたくさん見ているからなんだと思います。私はそんな娘の言葉に、「はいはい」って言いながら出かける。これが毎朝の行事(笑)。

何が言いたいかと言いますと……、そういう日々の小さな気遣いが、実は意外と嬉しいんだ、ということなんですよ。アナタも、敬老の日や誕生日に豪華なプレゼントを贈るよりも、そういうちょっとした言葉をかけてあげるのがいいかもしれませんよ。

たとえば、「最近、お肉を食べなくなっちゃったんだよね」と言っていたら、「バランスよく食べなきゃダメよ」と言ってあげるのもいいんじゃないかしら。喋ったり歩いたりするのは老化防止にいいと聞きますから、ご両親の話を聞いていっぱい喋らせてあげるのもいいし、ご高齢のご両親なら、「ひと口につき100回噛むといいんだよ」なんて、健康情報を教えてあげるのもいいと思います。そうやって、長生きしてほしいという気持ちを伝えて。

あるいは、「もうちょっとオシャレしてみたらいいよ」と、ピンクのストールなんかプレゼントしてあげるのもいいと思うわ。年を取ると、本当は明るい色を身につけてみたくても、「こんな派手なの、きっと似合わないわ……」と地味なものばかり選ぶようになるもの。だから人からもらうのは、明るい色のほうが嬉しいのよ。真っ赤な手帳をプレゼントしたりしても、案外喜ばれるんじゃないかしら。


ちなみに私の娘は、私の誕生日に家族3人で食事をすることを恒例行事にしているの。今年も、「誕生日はみんなで箱根に行こうよ」と提案してくれました。でも肝心の私が仕事で忙しくて、箱根まで行く時間が取れなかったんですけど(笑)。それでも「じゃあ夜だけ空けておいて」と言ってきて。実は、毎年とても楽しみにしているんですよ。

アナタは、こんなにご両親のことを考えていて、偉いと思うわ。それでいいのよ。親孝行は、何を置いてもしなさい。親孝行というのは、どんなにしてもしても、絶対に後悔するものですから。やり過ぎるということはないんですよ。

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PROFILE
  • 小林照子(こばやしてるこ)1935年生まれ。美容研究家。現在のコーセーを経て、1991年に「美・ファイン研究所」を設立。モデルや女優、政治家など何万人ものイメージ作りを手がけるほか、青山ビューティ学院高等部・中等部、同・京都校の学園長も務めている。最新著書『80歳のケセラセラ。いくつになっても「転がる石」で』(講談社)が好評発売中。プライベートでは27歳で結婚。娘の小林ひろ美さんは同じく美容家として活躍中。 この人の回答一覧を見る
  • 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『with』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る