『罠の戦争』(関西テレビ)より。月曜夜22時〜放送中。Netflixにて最新話まで全話配信中

草彅剛さん演じる議員秘書・鷲津亨(わしづとおる)が、ある事件を機に、尽くしてきた政治家・犬飼(本田博太郎)をはじめとした権力者へ復讐していく様子を描いたドラマ『罠の戦争』。予想のできない展開と、草彅さんの要所要所での感情を込めた演技に惹かれます。

この記事では、『罠の戦争』の面白さと、個人的におすすめな歴代の「復讐劇ドラマ」についてお伝えします。

 

ジェットコースターのような展開、ドキドキとスカッとが両方味わえる『罠の戦争』
 

「普段怒らないやつほど怒らせると怖い」という言葉がありますが、このお話はまさにそれ。苦しいときに母と自分を救ってくれたことを恩に着て、ちょっと人柄に問題がありそうな犬養に忠誠を誓ってきた鷲津。最愛の息子・泰生(たいき)の転落事件の”もみ消し”を命じられ、さすがに我慢の限界を迎えます。

「弱い者には弱いなりの戦い方がある」と、一人ずつ敵を罠におとしいれていく鷲津。基本的に物腰柔らかで冷静ですが、ときに声を荒げて相手に訴えかけるシーンにはグッときます。鷲津と同じ経験はしていなくとも、理不尽な目に遭ったことがある人ならわかる悔しさや、人が意識不明になっているのに権力によって事件がもみ消されることを許せないと思う気持ちに共感する人は多いのではないでしょうか。立ち向かう相手も罠を仕掛けてくるので、それをどうかわすのか、そしてどんな方法で相手を陥落させるのか、手に汗握って見守ってしまいます。

嫌なやつを追い詰めるシーンでは心がスッとするのですが、鷲津があたりをつけた”息子の事件の真相を知っていそうな人”は、空振りの連続。真相に近づいたかと思えば遠ざかっていきます。

当初から鷲津の味方になってくれているのが、同じく犬飼の事務所に勤め、パワハラを受けていた蛍原(小野花梨)と、犬飼に恨みを持っており、鷲津のとりなしで秘書見習いとなった蛯沢(杉野遥亮)。2人にはずっと鷲津の味方でいてほしいところですが……。鷲津と妻・可南子(井川遥)が支え合うシーンは応援したくなります。可南子にはつらい過去がありそうで気になるところ。

犬飼が所属していた民政党幹事長・鶴巻を岸部一徳さん、内閣総理大臣・竜崎を高橋克典さん、厚生労働大臣・鴨居ゆう子を片平なぎささんと、ベテラン俳優陣が脇を固めます。まだまだ手強い敵が待ち受けていそうだし、今信じている人がこの先も味方とは限らない。どうか無事に真相を突き止められ、泰生くんも目を覚まして元気になってほしいものです。


復讐劇もののドラマは観ていてつらくなる展開も多いのですが、目標を果たすために自分の人生のすべてを懸ける(あるいは犠牲にする)主人公のあまりにもまっすぐで美しい姿に惹かれてしまう独特な魅力があります。ストーリーの進行とともに真相がわかっていくものも多く、いろんな意味で目が離せません。

ここからは、筆者が個人的におすすめしたい”復讐劇”ドラマを、新旧交えてご紹介します!