『流星の絆』(2008)
子供3人が家を抜け出して流星群を見に行っている間に、洋食屋を営んでいた両親が殺されたーー東野圭吾の小説を原作に、宮藤官九郎脚本で実写化。長男・功一を二宮和也さん、次男・泰輔を錦戸亮さん、末っ子の静奈を戸田恵梨香さんが演じています。
一応”兄妹3人の復讐劇”ではありますし、自分たちで犯人を見つけようと真相にせまっていく話ではあるものの、今回ご紹介した他の作品にくらべると復讐感は薄いかも。本筋はシリアスな話でありながら、クドカン作品らしい面白要素も多めです。
第1話で詐欺に騙された静奈のお金を取り返そうとしたことをきっかけに、脚本・功一、主演・静奈、助演・泰輔による小芝居が展開されます。お金をだまし取っているので詐欺罪なのですが、静奈のコスプレと、まんまと騙されるターゲットの様子をコミカルに描いていて笑ってしまいます。初回では静奈を騙した女が入れ込むナンバー2ホスト・一矢(杉浦太陽)をターゲットに、夜道でウサギを抱いてロリータ服でたたずむ栞(演・静奈)が登場し、「ウサギが熱出しちゃって」と助けを求めるという筋書き。
そもそも「そんな女、この世に存在しないだろう……」とツッコみたくなるし、いきなり「栞は空気のいいカナダに留学しました、30万円貯まったら刺繡の学校に通います。念のため住所と銀行口座を書いておきます」という怪しさ満点の手紙を信じて速攻30万振り込んでしまう一矢のまぬけさとピュアさに爆笑してしまいます。
俳優陣の演技力も素晴らしいので感動するシーンも多く、いろんな意味で楽しめる作品です。ちなみに大人になった功一が働く店で必ずハヤシライスを頼むも、なかなかちゃんとしたハヤシライスを出してもらえない男・戸神を要潤さん、静奈が辞めた会社で静奈の机にあるものや静奈自身にポストイットで注意や悪口を貼ってきた嫌な上司・”ポストイット高山”(絶対モテなさそう)を桐谷健太さんなど、今やベテランとなった俳優陣が出てくるところもポイントです。
新旧さまざまな復讐劇ドラマをご紹介しました。なかなか配信されない作品もありますが、どれも名作なのでチャンスがあったらぜひチェックしていただきたいです。そしてともに沼にハマりましょう……!
Comment