【愛子さまファッション】薄桜色のドレスにみる「フレッシュな品格」。装いに込められた3つの秘密_img0
写真:JMPA

薄桜色のローブ・モンタントに身を包み、はにかんだような笑顔で手を振る愛子さま。2023年2月23日の天皇誕生日の一般参賀でベランダに立たれた愛子さまは「フレッシュな品格」にあふれていました。

このドレス姿から見える「愛子さまのフレッシュな品格」の秘密とは? 皇室の装いに詳しいファッション評論家の石原裕子さんに、その謎を解いていただきました!

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【フレッシュな品格の秘密①】
透明感のあるオーガンジーで色白の肌を際立たせる

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――天皇誕生日で愛子さまがお召しになったローブ・モンタント*は、とてもすてきでしたね。印象に残った特徴はありますか?

石原裕子さん:春の先駆けを感じる、開く前のつぼみのような薄桜色のドレスが魅力的でしたね。とりわけ襟と袖口の部分にオーガンジー*をあしらっているのが、とっても透明感があって目を引きました。色白の愛子さまの魅力が際立ちますね。

〈ローブ・モンタントとは、フランス語で「高まる、立った」という意味。肌を見せるのを控えて立ち襟がついた長袖のドレスで、貴婦人の昼間の正装。近年では立ち襟のほか、襟の詰まったラウンドネックもみられる。宮中では「お長服」とも呼ばれる〉

〈オーガンジーは、透明感とハリのある素材。上品な光沢があるため、ウェディングドレスの生地として使われることも多い〉

 

【フレッシュな品格の秘密②】
シュガーピンクの小さなビーズをさりげなくあしらう

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――襟と袖にラインのようなものが見えます。キラキラ光っていますね。

石原さん:オーガンジーに小さな花の種のようなシードビーズを4連で刺繍してありましたね。ピンクに白砂糖を足したようなシュガーピンクのビーズで、ウエストラインにもきれいに並んでいました。一見するとシンプルですが、さりげないところに手の込んだ職人技を感じるドレスですね。

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写真:JMPA

――一般参賀の人たちからは見えないかもしれないのに……。ほんとうに控えめなおしゃれですね。

 

【フレッシュな品格の秘密③】
浅く小さな帽子、小振りなブローチで愛らしく

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写真:JMPA

――小さな桜色のお帽子*がすてきです。

石原さん:セーラーハットですね。クラウンがすごく浅くてブリム(つば)も小さくそり返り、頭にちょこんとのせているのがいかにも愛らしいですよね。上部にオーガンジーを折り畳んだタックをとって、後ろは蝶リボンに結んで。透明感がお帽子からも感じられます。

〈貴婦人の昼の正装であるローブ・モンタントは、帽子をかぶって扇と手袋を持つのがもっとも正式とされる。天皇誕生日に招かれた側の天皇陛下をお祝いする気持ちが感じられる〉

――シンプルなドレスの胸に、かわいいブローチが光っています。襟元の透明なオーガンジーからパールのネックレスも見え隠れしますね。

石原さん:ほかの方たちより一回り小さなダイヤモンドのブローチですね。パールと小さなダイヤモンドのイヤリング、パールのネックレスもみな小振りに抑えることで、華やかさからなるべく遠く離れたところにいたいという印象を受けますね。

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写真:JMPA(左、右ともに)

――小さく輝いているのが、かえって好感が持てます。

石原さん:そうですよね。愛子さまはまだ学生でお若くて、皇族としてはニューフェイスです。この装いからは、ほんとうに年齢にふさわしい、愛子さまのピュアなお人柄が伝わってきますね。

ドレスの生地や襟と袖のオーガンジー、細かなシードビーズのおしゃれなど、控え目な中に最高級のものを盛り込んでいて、天皇陛下と雅子さまがいかにも大切にお育てになっているご様子が感じられる、愛情がたっぷり詰まった装いだと思います。


石原裕子(いしはら・ゆうこ)
ファッション評論家。長年に渡りパリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨークのプレタポルテコレクションを取材し、世界のファッション業界事情に精通している。即位関連の一連の儀式の間、メディアで雅子さまの装いを分かりやすく解説。現在、テレビ・雑誌・講演などで活躍中。「ファッションチェック」という言葉の発案者でもある。

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参考文献
『皇室ファッション大全 素敵な装いルールBOOK』宝島社
『モダリーナのファッションパーツ図鑑』マール社

聞き手/高木香織
構成/熊木彩乃



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