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飲食店で卵を使用したメニューの提供が休止されたり、卵の小売価格が倍になったり……。卵不足の原因が、鳥インフルエンザ拡大による鶏の殺処分であることは、ご存知の方も多いと思います。では、「鳥インフルエンザ」とは、どのような病気なのでしょうか? なぜ、殺処分までされなくてはならないのでしょうか? 山田悠史医師に聞きました。

 

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402


編集:先日行きつけのカフェに行ったところ、卵を使用したメニューが休止になっていました。ネットスーパーでは卵の取り扱いがなくなるなど、卵不足を実感しています。鳥インフルエンザが原因とは理解していますが、そんなに危険なウイルスなのでしょうか?

山田:鳥インフルエンザは、主に鳥類の間でアウトブレイクするインフルエンザウイルスです。人の間で流行しているインフルエンザウイルスとは表面のタンパク質の構造が異なりますので、人での感染流行は起こりにくいと考えられています。

編集:人への感染流行が起こりにくいのに、なぜ大量の鶏が殺処分されなくてはいけないのでしょうか?