私たちの身近にあるお酒。過度なアルコール摂取は、様々な病気の発生リスクとの関連性が指摘される一方、ほどよい飲酒を肯定的にとらえる研究もあります。では、アルコール摂取量と認知症リスクの関係は、どうなのでしょうか? ほどよい飲酒量とは、どの程度なのでしょうか? 山田悠史医師に聞きました。
教えていただいたのは……
山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。著書に、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』、『健康の大疑問』(マガジンハウス)など。
Twitter:@YujiY0402
編集:パンデミックをきっかけに、飲み会などが減り飲酒量が減った方も、逆に増えた方もいますよね。飲酒習慣が体に及ぼす影響には、どのようなものがあるのでしょうか?
山田:そうですね。まず、がんの発生リスクと飲酒量が相関することは、よく知られています。「0より1でリスク増加と関連」と言われているので、がんの学会などでは飲酒量を0にすることが推奨されます。
編集:なるほど。では、認知症とお酒の関係はいかがでしょうか? 飲み過ぎはよくないだろうと予測はつきますが、どの程度から「飲みすぎ」とされるかが気になります。
山田:では、認知症リスクと飲酒習慣の関係を調べた、韓国の研究をご紹介しますね。この研究は、平均55歳の、400万人のデータを6年ほど追跡し、飲酒量と認知症発生の関係性を調べたのです。
編集:400万人! すごい人数ですね。
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