『40歳の壁をスルッと越える人生戦略』という本をご存じでしょうか。
誰もが一生のどこかでぶつかる「40歳の壁」の正体を分解しながら、壁の越え方と、その先の「人生の後半戦をどうデザインしていくか」について、自問自答し試行錯誤するための1冊です。
キーワードは、幸せな人生の土台となる3要素「お金」「つながり」「健康」を重ね合わせてつくる「自分業」という考え方。
読んだ人達の「それが言いたかったの!」の共感と、「そんな考え方があったのか!」の気付きが支持を広げ、版を重ねています。
著者の尾石晴さんは40代。発信(ブログ、Twitter、note、Voicy、Instagram)、文筆業、ヨガ(オンライン、スタジオ)、ワーキングマザーのコミュニティのハブ役、大学院生、フェムケアの物販、不動産賃貸業、妻、母、といろんな顔を持ちながら、「ふつうの女性がいい感じに年をとるには?」を軸の1つに活動しています。
変化の中でもがきながら考えたことを言葉にし、行動しながら変化しながら様々な形で発信を続ける尾石さんに、気になる50歳の壁について伺いました。
――「自分業」をつくることは年齢も性別も属性も問わない考え方だと思いました。50歳、60歳でも壁はあるとして、そこに共通する「壁の乗り越え方のコツ」はあるのでしょうか?
「自分業」とは、幸せな人生の土台となる「お金」・「つながり」・「健康」の3つの要素を満たすことができ、かつやりがいをもって取り組める仕事。これから来る自分の老いや衰えていく体力気力とも折り合い継続できるものであること、自分が裁量権を持てることが大切。
「自分業」の考え方は50歳でも60歳でも一緒だと思います。
これからの時代は、1つの仕事をフルに全うする人よりも、2-3個やるという人が増えていくと思うんです。60~65歳の定年退職後に75歳まで働いたり、年を取って個人事業主になるケースも多いですが、
そういう方々を見ていても、1つの何かというよりも「少しずついろんな仕事を組み合わせて」いるんです。
私の母の例ですが、元働いていた会社に頼まれて週2だけ経理、その会社のつながりでベトナム人労働実習生のお世話係、と70代で複数の仕事をしています。全てお金が欲しくてやっているわけではなく、若い人たちと話せる機会や、培ってきた家事スキルや長年本業でやってきた経理の仕事が役立つことが自分にとってうれしいという面があるんです。外に出る決まった機会があると心身ともに健康が維持できるのもいいですよね。
この「少しずついろんな仕事を組み合わせていく」ことが、壁を感じた時に少しずつ乗り越えるヒントになると思うんです。
お金・つながり・健康をどう維持するかを考えたとき、1つの仕事で全部かなえるのはその人の背景によって難しいことも多いですよね。
でも、自分の状態に合わせて少しずついろんな仕事を組み合わせ、「お金」「健康」「つながり」の3つの要素が重なるところに自分を置くことができると自身の幸福度が上がる。
それは年齢によらず同じなんだと思います。
尾石晴
外資系メーカーに16年勤務。長時間労働が当たり前の中、子持ち管理職経験から「分解思考」で時間を捻出。
ワンオペ育児の合間に、発信・文筆・不動産など会社員以外での収入経路を複数確保。2020年4月に会社員を卒業し、サバティカルタイム(使途用途を決めない学びの休暇)に入る。
その後、オンライン、スタジオヨガ「ポスパム」、ちつケア用品ブランド「ソワン」を立ち上げる。2022年春から大学院に進学。
トップパーソナリティとして活躍中の音声メディア「voicy」の他、Twitter、note、Instagramでも発信。著書に『やめる時間術』(実業之日本社)、『ライフシフト習慣術』(フォレスト出版)がある。2児の母。