「40歳の壁」という中年期特有のモヤモヤを可視化した問題提起に、「自分業」という考え方を解として提案する本『40歳の壁をスルッと越える人生戦略』

著者の尾石さんは、新卒で入社した外資系企業勤務の16年間に出産育児を経て不動産賃貸業、発信、文筆業を開始。会社員卒業後にオンラインとスタジオでのヨガ、書籍の出版や講師業、フェムケアの物販事業を始め、現在は大学院生の顔も持つ40代の女性です。

尾石晴
外資系メーカーに16年勤務。長時間労働が当たり前の中、子持ち管理職経験から「分解思考」で時間を捻出。
ワンオペ育児の合間に、発信・文筆・不動産など会社員以外での収入経路を複数確保。2020年4月に会社員を卒業し、サバティカルタイム(使途用途を決めない学びの休暇)に入る。
その後、オンライン、スタジオヨガ「ポスパム」、ちつケア用品ブランド「ソワン」を立ち上げる。2022年春から大学院に進学。
トップパーソナリティとして活躍中の音声メディア「voicy」の他、Twitter、note、Instagramでも発信。著書に『やめる時間術』(実業之日本社)、『ライフシフト習慣術』(フォレスト出版)がある。2児の母。

 


これらの挑戦は「定年を迎えない人生」をキャリアとして描くための試行錯誤とアウトプットの積み重ね。その重ね合わせが、尾石さんの現在の「自分業」になっています。


「自分業」とは、幸せな人生の土台となる「お金」「つながり」「健康」の3つの要素を満たすことができ、かつやりがいをもって取り組める仕事。これから来る自分の老いや衰えていく体力気力とも折り合い継続できるものであること、自分が裁量権を持てることが大切。


私たちが今後も継続できて長期スパンで人生に関わり、「お金」・「つながり」・「健康」を維持できることは仕事。

“生涯現役で働く”を視野に入れて「自分業」をつくることは、何歳からでも遅くない大切な考え方だと感じます。

さて、自分業の大切さはわかっていても、実際どうやって見つけて始めて、続けて育てていくの? と困惑する人も多いかもしれません。
それを丁寧にシェアしてくれるのが本書。「好き」にかかる支出を経費にする発想、「自分が今まで一番お金と時間を使ってきたこと(=自分にとって「好き」なこと)」を洗い出す、自分を主語にした顧客設定・提供する価値の組み立て・セルフブランディングについてなど、精神論ではない具体的な取り組み方を、尾石さんが考え整理しわかりやすくまとめてくれています。

でもそんな尾石さんも、発信を始めた2018年には「自分の考えていること」をブログに書こうとしても300字も書けなかったと言います。

インタビュー前編
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