What if……ルーク・スカイウォーカーのやる気が違ったら
さて、ここで質問です。ルーク・スカイウォーカーは「やる気を出しなさい!!」と言われて、ダース・ベイダーと戦いたいと思ったのでしょうか?
違いますよね。ルーク・スカイウォーカーの心の奥底の何かが、ルーク・スカイウォーカーを駆り立てたのです。
ここで、ルーク・スカイウォーカーが家族を殺したダース・ベイダーと連合軍を壊滅させた帝国軍にも「こいつら、やばい!! 絶対、関わりたくない!!」と思う人だったらどのようなやる気を持ったでしょうか?
それは「早く逃げなきゃ!! 隠れなきゃ!!」です。仮にこうなったらスター・ウォーズは全く別のお話になったことでしょう。観客がそれを喜ぶかどうかは演出次第ですが、「逃亡の物語」として展開したことでしょう。
さて、ここで再び質問です。あなたは「逃亡の物語」を選んだルーク・スカイウォーカーが居たとしたら、そのルーク・スカイウォーカーを批判したくなりますか? それとも、「それも良いよね」と受け止められますか?
観客として勇敢なルーク・スカイウォーカーの物語を期待していると、「逃亡の物語なんて見たくない!!」と映画の途中でも帰ってしまうかもしれませんね。映画とは観客やファンの期待に答えるものですから、期待を裏切られたら帰りたくなるのも当然のことでしょう。
キャリアという物語の主人公と第一の観客は……
ですが、「キャリアという物語」は観客に見せる映画ではありません。主人公はあなたであり、第一席の観客もあなたなのです。キャリアという物語は、あなたという主人公と第一席の観客が喜ぶものであることが何よりも重要なのです。
ただ、私たちの物語は、自分一人では完結しません。人生のパートナーとも言える存在、多くは配偶者やご家族、大親友、時には指導者などが第二の観客です。この第二の観客は時に口を出します。
そして、人生のパートナーに私たちは影響されます。その結果、第二の観客たちが期待するやる気を自分自身のやる気であるかのように錯覚するのです。
仮にあなたが「やる気が出ない」と感じているときは、あなたはあなた自身のやる気に正直になっていないのかもしれません。第二の観客たちが口を出した結果としての「やる気モドキ」を自分自身のやる気と錯覚しているのかもしれません。
主人公と第一の観客が喜ぶ「やる気」ではないのですから、「やる気が出ない」のは当然のことなのです。
「やる気が出ない」はあなたの物語を見つける手がかりです
自分の物語を紡ぎ出す大切な第1歩の一つが「やる気が出ない」自分を「良し」とすることです。もちろん、人として生きていると気が向かないこともやらざるを得ないものです。必要なことから逃げるのは良くないことですが、「自分自身のやる気」であるかのように自分を偽るのも良くないことです。
さあ、「やる気が出ない」あなたを見つけたら、「本当の私」の入り口だと思ってください。そして、あなたの物語を見つけてください。キャリアコンサルティングとキャリア心理学には、あなたの物語を見つけるヒントが満載です。ご一緒に、あなたの物語を描き出しましょう。
イラスト/池田マイ
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