誰の人生にも「物語」があります。


人は、成仏できない物語があると辛い気持ちになり、前向きな物語を描けないと落ち込んだりモヤモヤしたりします。


この連載では、心理学者でキャリアコンサルティング技能士の杉山崇先生が、「物語」という名のライフキャリアを整える方法を皆さんにお伝えしていきます。

【人間と他の生き物の最大の違いは?】「展望力」の意味がわかると「不安」の意味もわかってくる!_img0
 


突然ですが、人間と他の生き物の決定的な違いは何だと思いますか?


人間の定義は価値観の数、人間観の数だけあります。
もしかしたら、人の数だけあるかもしれません。


哲学者、思想家ならどう答えるのだろう?


たとえば、有名な哲学者、フランスのパスカルに言わせれば「考える葦である」ことがこの問への答えになるでしょう。一方でイタリアのマキャベリになると「政治的目的のために生きること」となるかもしれません。


この他、宗教や神話、民話でも人の誕生が語られていたりもします。本当にたくさんの人間の定義があることでしょう。


あなたなら、どう表現しますか?
 

 

ワニさんと人はどう違うのだろう?


さて、人間をもっとよく理解するには、他の生き物と比べてみるとわかりやすくなります。そこで、今回はワニさんに登場してもらいましょう。

みなさん、ワニさんというとどんなイメージがありますが。獰猛で、水の中に潜み、獲物が近づいたら何でもガブリ!! 一度、捕まえられたらもう2度とお日様を拝めない……などという怖いイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか?

もちろん、これもワニさんの一面です。ワニさんも生き物ですから、食べなければ生きていけません。ただ、このようなワニさんは、基本的にお腹をすかせている「捕食モード」に入っているときのワニさんです。


ワニさんは、2億年前の勝ち組!?


でも、実はワニさんは「食ってやる、食ってやる!!」などと獰猛な考えは恐らく持っていません。獲物が近づいても、「しめしめ、馬鹿な子鹿め……」などと考えていることはまずないでしょう。

なぜ、考えてないってわかるかって?
それはワニさんがそういう働きをする脳をほとんど持っていないからです。

実はワニさん、2億年くらいほとんど進化していません。これは決して悪口ではありません。
2億年前に「水辺の頂点捕食者」という「食うに困らないニッチ(ポジション)」を獲得したのです。言わば、2億年前から今日に至る「水辺の勝ち組」です。2億年も進化の必要がなかったのは、生存競争における勲章かもしれません。

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【漫画】ワニさんと先生の「人生の物語を整えよう」
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