急増した「発達障害」の児童の中には「もどき」がいる!?

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近ごろ「発達障害」という言葉をよく見聞きするようになりましたよね。発達障害は以下の3つがよく知られていますが、認知が広がった分、ちょっとでも落ち着きがなかったりコミュニケーションが下手だったりすると、安易に発達障害だと決めつける場面も増えたような気がします。

●自閉症(ASD)
対人関係が苦手で強いこだわりがあるとされる発達障害
●注意欠陥多動性障害(ADHD)
不注意、他動、衝動性が特徴とされる発達障害
●学習障害(LD)
聞く・話す・読む・書くなどに困難が生じる発達障害

 

ちなみに、文部科学省「令和2年度 通級による指導実施状況調査結果」によると、2006年の時点で発達障害の児童数は約7000人だったのに、2019年には7万人を、2020年には9万人を超えるなど、わずか13~4年で10倍以上に増えているそうです。この状況に疑問を呈したのが、発達障害の悩みを抱える親子・当事者と向き合ってきた医師・成田奈緒子さんです。成田さんは自著『「発達障害」と間違われる子どもたち』において、発達障害とされている児童の中には、発達障害の診断がつかないのに、発達障害と見分けのつかない症候を示す「発達障害もどき」が含まれているのではないかと唱えています。

これは特に子育て中の人にとってはとても切実な問題だと思います。わが子が発達障害だとばかり思っていたのに、病院で診断した結果「もどき」だったことが判明したらどう対処すればいいか……あまりにも情報が少なく、路頭に迷ってしまうかもしれません。

そこで今回は、本書より「発達障害もどき」のお子さんへの向き合い方や改善法を抜粋してご紹介したいと思います!