子を産むと「子育て罰」に見舞われる社会で

地方で結婚・出産で奨学金減免?「何かと引き換えにしなければならない」政府の少子化対策に未来はあるのか_img0
 

さらに、ロート製薬が公表した妊活に対する意識調査「妊活白書2022」では、子どもがほしくない理由として「子育てにかかるお金が高すぎる」といった経済的理由が上がったといいます。

浜田啓子氏の「子どもをもつと収入が70%も激減 世界が反面教師にしている日本の『子育て罰』」という記事では、「子育て罰」と呼ばれる、子どもを産むことで経済的に苦しくなる日本の現状について言及されています。

「経済学には『チャイルドペナルティー』という考えがある。これは子どもをもつことがペナルティーを受けるということではなく、子どもをもつことによって所得が減ることを指す。財務省財務総合政策研究所の古村典洋氏の研究によると、このチャイルドペナルティーの割合を日本とデンマークで比較した結果、デンマークでは出産後の所得の落ち込みが30%に過ぎなかったものが、日本では70%程度にものぼるという」
――Newsweek「子どもをもつと収入が70%も激減 世界が反面教師にしている日本の『子育て罰』」より

正直に言うと、こんな社会で子どもなんか産めるか、と筆者は思います。

 

社会全体が子連れに理解を示し、サポートしていく


日本の現状を見ると、少子化になるべくしてなったというほかなく、これで増えるわけないよな、というのが率直なところです。長年様々な問題を放置してきた結果が出ているのです。

危険水準になったからと、奨学金の減免を条件に地方での結婚・出産といった強硬策をとるのではなく、今からでもやるべきことを一つずつ検証することで、子どもを安心して産み育てられる社会にしていくべきだと思います。

子どもを産んだ後、養育にかかる負担をサポートしてもらえ、育休・産休が取得しやすく、復帰後もキャリアを諦めることなく働ける。さらに教育費の補助もあり、子どもを産み育てることで困窮することがないこと。そして社会全体が子連れに理解があり、サポートしていく環境がある。

そんな社会だったら、出産を考えられるかも、という人もいるのではないでしょうか。