「その働き方、ちまちましてない?」で目が覚めた

「その働き方、ちまちましてない?」に心がざわついて気づいた、「私の力を信じていないのは私だった」【ボーク重子さん×川良咲子】_img0
 

川良 実はミモレのミッションは「ミドル女性を幸せにすること」なんです。ミドル女性が幸せだったら周囲の人たちも幸せになって、社会全体に好循環が生まれると信じているので。2015年のスタート時にはアラフォーが平均だった読者のみなさんも今では平均するとアラフィフになってきました。悩みや課題も変わってきますし「これからどうしよう?」と立ち止まる方が多いですね。子育て中の人、仕事をしている人、専業主婦の人。立場や属性に関係なく、みなさん一様に人生後半をどう過ごせばいいのかモヤモヤしていらっしゃる印象があります。

重子 あのね、実は私も今から1年くらい前、これからどうしようかなって悩んでいたの。おかげさまで本もたくさん出版させてもらったし、私の会社に所属するコーチも30人になったから、これからも今のペースでいいよね、ということを知人に話したんですけど……何て言われたと思います? 「その働き方、ちまちましてない?」って言われたんですよ(笑)!

川良 なんと! その「ちまちま」というのは、どんな意味で言われたんでしょうね?

重子 スケールがちっちゃいね、こぢんまりまとまってるね――ということですよね 。自分の仕事を「ちまちま」なんて言われて心がざわついたのは、その友人は「重子さんなら、もっとできるはずじゃん」と思ってくれていたのに、私は自分の力を信じていないことに気がついたから。私たちって本当は「自分が考えている以上の力」を持っているのですよね。だから、私の可能性は私が一番に認めてあげようって決めたのです。

そこから、自分で小さな噴火を起こしていって、今では所属コーチは140人になりました。そして今年は4月から大きなプロジェクトもスタートしています。それは40年以上の歴史があり全国展開している学研教室の指導者の非認知能力育成プログラムの開発・指導です。一刻も早い育成が求められている非認知能力の鍵は指導者、親なのです。だから最高にワクワクしています。

 

45歳で勉強を始めて、50歳でライフコーチに


川良 今の重子さんのお話で思い浮かべたのは、私たちミモレが運営している〔ミモレ編集室〕のみなさんのことでした。今は170名くらいの女性が参加してくださっているコミュニティなんですが、本当に素晴らしいスキルと経験をお持ちの方々なんです。文章が得意な方もいれば、イラストが上手な方もいて。話すのが得意な方、聞くのが得意な方も。

でも、好きなことを形にしようとか、得意なことを発信しようと言われても、多くの方は「私にはそんなことできません」って戸惑ってしまうんですね。その反応は当然だと思います。自分でできる人はもうすでに個人で発信されているでしょうし。だから、〔ミモレ編集室〕では一人ひとりが、「私、これがやりたいかも!」を実現するサポートができればとも思っているんです。

重子 読者のみなさんの年齢層がアラフィフに近づいてきているとおっしゃったけれど、そういえば私自身のキャリアの転機もアラフィフなんですよ。45歳まではアートギャラリーのオーナーをしてたんですけど、それは自分が「やりたいこと」というより「できること」だったから。セカンドライフはもっと違う形で社会と関わりたいな、そう模索する中で出会ったのがコーチングだったんですね。それで45歳で勉強を始めて、50歳の時にライフコーチに転業しました。