若い女性には気安く言えないほど、過酷なチャレンジになっている


今「女性議員をもっと増やそう」という声が高まっています。本当に切実な問題です。日本は国会にも地方議会にも女性議員が少なすぎて、高齢男性の専制政治。最近は、若い世代で積極的に政治に関わろうとアクションを起こしている女性たちもいますし、2018年には候補者の男女比を半々にすることを目指す候補者男女均等法も施行されました。とは言え罰則はなし。いまだに女性候補者は半数には遠く及ばず、知人たちも女性候補者探しに日夜奔走しています。クオータ制を導入して一挙に女性議員の割合を増やさなければ、100年経っても現状はほとんど変わらないでしょう。

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私も、女性議員がうんと増えたらいいのに! と心から思います。でも正直に言うと、今の状況で若い女性に安易に「頑張って選挙に出て」と言うことには躊躇いがあります。そんな無理ゲーを課すのは酷ではないかと思うのです。最近は選挙活動休暇のとれる会社も出てきましたが、日本では選挙に出るとなると、実質的には失業覚悟です。6桁7桁のまとまった供託金も必要。加えて女性議員・女性候補者へのセクハラやいじめも問題になっています。そもそも若者や女性が目立つことをよく思わない地域もあるでしょう。そんな過酷なチャレンジと知りながら、気安く「若い人頑張って」とは言えません。だって、自分だったらとても耐えられそうにないもの。

 

私の本音はRun, girls! Now! です。Runといっても選挙に出るんじゃなく、走って逃げて、の方。世の中の変化は極めて遅く、待っていたら先に寿命が尽きてしまうかもしれません。だから貴重な時間を無駄にしないよう、若いうちに今いるところよりも女性差別の少ない場所に逃げて! というのが正直な気持ちです。地元がしんどいなら都会へ、日本がしんどいなら海外へ。でも、もちろん自分で社会を変えたいという若い女性もいます。いえ、若い世代でなくても、このままではいけないと思っている人は多いでしょう。