「他人が自分をどう評価するか」が優先される定型発達(健常発達)、「自分がどうしたいか」が優先される非定型発達

「いじわるコミュニケーション」や「ありがとう」の掟...「自分は普通」と思う人が持つ病の元「対人希求性」とは?_img0
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“発達障害的な心性を持つ人と健常発達的心性を持つ人の際だった違いとして、対人希求性の違いはよく指摘される特性の一つです。”


筆者は、定型発達(健常発達)の人と、非定型発達の人との大きな違いについて語ります。

健常発達の人は「どちらかといえば、他の人が自分をどう評価するかが、自分が何をしたいのかよりも優先される」のに対し、非定型発達の人は「自分がどうしたいか」が「他人が自分のことをどう考えているか」よりも優先されている。これはとてもわかりやすい定義ではないでしょうか。

 

そして、いじわるというのは、相手の気をひくためにするもの。いじわるする人というのは、「自分がどうしたいか」よりも、「相手の反応」や「相手が自分をどう思っているか」が気になっているのですよね。小学生くらいの男の子が好きな女の子にいじわるをしてしまうのは、まさにこの構図です。相手の心の中で一番大きな関心を占めたくてしかたないのです。

“いじコミとは、平成・令和的に表現するならば、どれくらい人が「いいね」をクリックしてくれるかが、自分自身がそれを「いいね」と思うかどうかよりも重視されるコミュニケーションのことです。いじわるを適度に処方でき、適度に感じることが、健常発達を格別に特徴づける能力だと思われますし、その能力をそれなりにマスターした人のほうが数が多いので、「健常」発達と呼ばれているわけです”
 


しかし、実際にはいじわるだけでコミュニケーションをとっているわけではありませんよね。特に「普通の大人」はいじわるをすることはあまりないでしょう。

そこで、筆者が出してきたのは「親切」。親切というコミュニケーションの裏にはやはり「いじコミ」が潜んでいるのだと言います。