ステロイドの効果・副作用は? カギとなるのは、免疫機能!


山田:おっしゃる通り、アトピーの治療に使われることもありますね。それ以外にも、様々なアレルギー性の病気、免疫の病気に使用される薬です。このステロイドを投与すると、人の免疫機能が抑えられることがよく知られています。

通常ですと、免疫は交番の警察官のような働きをして、体内に侵入してきたばい菌やウイルスを異物であると認識し、退治してくれています。
ただ、この警察官が暴走し、自分の体の一部を異物だと誤認して攻撃を始める、「自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)」と呼ばれる病気があるのです。そして、この免疫の暴走を幅広く抑えてくれるのが、ステロイドです。

 

編集:なるほど! 

山田:ちなみに、このステロイドは、皆さんの体の左右の腎臓、それぞれの頭側に位置する「副腎(ふくじん)」という臓器で、少量ながら作られています。

編集:全く知りませんでした! 薬のイメージが強いです。

山田:このステロイドは、血糖値や血圧を維持したり、ミネラルバランスの管理などの役割を果たすほか、ストレスに対応するような働きも担っているんです。

編集:副腎に感謝の気持ちが湧いてきます……。ですが、ステロイドが体内の様々なバランスを調整してくれるのであれば、お茶にステロイドが少し混入されていても、悪いことではないのではないでしょうか?

山田:それが、そうでもありません。お茶に混じったステロイドを一定期間飲み続けると、ステロイドを作る副腎が、「もう自分で作らなくていい」と理解をして、体内でステロイドを作らなくなってしまうんです。

編集:それは困りますね……。