この日、同時に披露された特別ポスターの撮影については、いろんなポーズを撮るのが「結構しんどかった」そう。ポスターの出来栄えは、「女方は首がないように見えるので、もうちょっとあごをあげればよかった。90点くらいかな」と自己採点しました。
今は学校から帰ってきて、2〜3時間稽古をしているという眞秀くんですが、「疲れたといいながら家に帰っても、シャワーを浴びるとエネルギーがたまるみたい。そのあと家でサッカーしています」と、元気いっぱいの様子です。
2月にはフランス大使公邸で初舞台の記者発表が行われ、祖父・尾上菊五郎さん、叔父・尾上菊之助さん、母・寺島しのぶさん、父でクリエイティブディレクターのローラン・グナシアさんと会見に臨んだ時、フランス語での挨拶を披露した眞秀くん。「いつか、僕とパパの母国のフランスで、歌舞伎公演をやってみたいと思います」と話していました。
サッカーが大好きな眞秀くんですが、今は歌舞伎俳優として頑張っていきたいといいます。いつか演じてみたいのは、“弁天小僧”。今回出演する『音菊眞秀若武者』と同じく、「女から男へと変わる場面が好き」とのこと。将来は「ひいま(菊五郎さんの愛称)みたいな、お客様を喜ばせる役者さんになりたいです」と語りました。
取材会終了後、自ら舞台の定式幕を引いた眞秀くんが、再び幕を開ける時にポスターを引っ掛けてしまって倒してしまうというハプニングもありました。最後まで、緊張することなく自然体で振る舞っていて、将来の大物ぶりを予感させるものがありました。
尾上眞秀くんの初舞台を記念して、シャネルが祝幕の制作をサポートすることも発表されました。現代アーティストのグザヴィエ ヴェイヤンがデザインし、フランスの刺繍工房「モンテックス」が刺繍を施すという祝幕は、「團菊祭五月大歌舞伎」初代尾上眞秀初舞台『音菊眞秀若武者』の舞台でお披露目される予定なので、こちらも楽しみです。
『音菊眞秀若武者』あらすじ
大伴家茂が国守となった祝いの宴が催される山里曲輪。そこへ剣術指南役に連れられ一人の女童がやってきます。家茂の奥方・藤波御前のもとで奉公することになった女童は、可憐な舞を披露し宴を盛り上げます。ところがそこへ、家茂に助けを求める村人たちが。大狒々(ひひ)に村を襲われ困り果てた村人たちの話を聞き、狒々退治に名乗りを挙げたのはなんと女童。驚く人々に女童は自らの正体を明かし……。
【写真】寺島しのぶの愛息・尾上眞秀くんデビュー。子どもらしいハプニングにも動じない姿にすでに大物の風格が
撮影/大門徹
取材・文/吉川明子
※初掲時、記事中の名称に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
- 1
- 2
Comment