いまの学校は「オワコン」。教育現場の改革を目指す

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コロナ禍を機に社会の変化が加速するなか、学校教育の変化を求める声もあちこちで聞かれるようになりましたよね。そんな世の到来を見越すかのように教育の改革に取り組み、国内外の教育関係者から注目を集めているのが千代田国際中学校の現校長・日野田直彦さんです。日野田さんによると、現在の日本の学校は「オワコン」になってしまっているのだとか。その理由を、日野田さんは著書『東大よりも世界に近い学校』でこう記しています。

 

「日本の近代化と強兵のため、工場や軍隊で働く均質で質の高い労働者や兵隊が大量に必要だった明治政府がつくり上げたシステムがいまの教育の原型です。その教育は引き継がれ、高度成長に大きく寄与しました。それにより、戦後の高度成長期には人々は幸せになれました。終身雇用と年功序列の雇用システムが盤石だったので、質の高い労働者になれば、一生食べるのに困らなかったのです。
でも、右肩上がりの時代は終わり、過去の成功体験や方程式は通用しない時代になりました。正解などはなく、いまの10代が社会の中核となる2050年には、日本の社会に閉じこもっていては生きていけなくなる、さらに厳しい社会が待っていることでしょう」

その危機感を胸に、日野田さんは国際的に通用する人材を育てようとさまざまなチャレンジを続け、多くの生徒を海外の大学へと送り出していきました。特に注目したいのが、チャレンジを行ったのが偏差値50そこそこの「普通」の公立高校や、倒産寸前の私立中学校・高等学校だったという点。いったいどのように生徒のポテンシャルを引き出したのか、とても気になりますよね。

そこで今回は、英会話学校ベルリッツと共同で開発したTOEFL対策講座など、大阪府立箕面高校で行った画期的なチャレンジの様子を本書から抜粋してお伝えしたいと思います!
 

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