「アラフィフの壁」を無理なく、軽やかに越え続ける漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが、自らのアンテナに引っかかった事象を紐解く連載です。今回は目には見えないけれど加齢が出やすい「アレ」をアンチエイジングすべく、代官山に馳せ参じました。
30代の時に、電話で占いの人に「アラフォーですか?」と言われて、声の老化を実感
年々、声がくぐもっていって、1時間以上話すと声が枯れて出にくくなってしまう症状に悩まされていました。30代の時に、電話で占いの人に「アラフォーですか?」と言われて、声の老化を実感。
音楽プロデューサーでボイストレーナーのミニー・Pさんが提唱する「アンチエイジングボイトレ」は、美容業界にも評判で、有名な方も結構通われていると聞いて、今回取材させていただきました。
ミニー・Pさんはちょっと年上ですが、アンチエイジングボイトレを実戦しているだけあって、声も見た目もスタイルも永遠の30代を保たれている印象です。代官山の素敵なサロンには、北野武さんもテレビのロケで訪れ、ボイトレに興味を持っていたそうです。肩を回しながら発声していたとか。天龍源一郎さんや本間朋晃さんといった、声が聞き取りにくいプロレス選手の方々も短時間で効果が出たとのこと。そもそも声が小さくて聞き取れない上に、加齢も重なった私でも期待できそうです。
ミニー・Pさん
音楽プロデューサー、作詞・作曲編曲家、ボイストレーナー。音楽レーベル、音楽制作プロダクション、音楽スクールの株式会社ウイングスミュージック代表取締役社長。クリス・ハート、氷川きよし、フィロソフィーのダンス、AISHA、手嶌葵、Double Aceなど実力派の R&B、POPS 、 K-POP アーティストなどに多数楽曲を提供し、同時に多くのアーティストのボーカルディレクションを担当。1995年に東京・代官山に「ウイングスミュージックスクール」をオープン。ボイストレーナー として自らも声の指導を行い、 独自のボイストレーニング法で多くの成果を挙げる。自ら考案したアンチエイジングボイトレが好評を博し、毎月多くのメジャー雑誌に多数取り上げられている。2023年5月17日(水)21時より、人生の分岐点について語る30分のインタビュー番組・かわさきエフエム「森清華のLife is the journey」出演予定。
声を身体に響かせることで代謝がアップしたり、きれいになったり、抜け毛が減るといった報告も
まず、ミニー・Pさんに声の老化について伺いました。
「声をよく使う方はだいたい30代くらいから低くなっていきます。その原因は、声帯のひだがむくんで肥大してしまうこと。お酒をたくさん飲んだら喉がむくんで酒焼けした声が出るのと同じような原理です。声には美容整形のような対処法がないんですよね。40代の方が電話相手に声だけ聞いて70代と思われていて、実際に会ったら若くてびっくりされた、というお話もあります。今は平均寿命も伸びましたし、声が枯れたまま何十年も生きるのは大変なので、ボイトレの需要が高まっています」
昨今は、コロナ禍で家にこもってあまり人と会話しなくなったことで、声や喉がますます衰えた気がします。ミニー・Pさんがこのボイトレ法を着想したのはかなり前だったそうで先見の明があります。
「喉のむくみと声の関係に気付いたのは20代の時。ストレッチを取り入れた発声法を考えて60代の生徒さんに試してもらったら、その場で鏡を見て『先生、しわがなくなった!』って。見たらさっきまであったしわが本当になくなってました。歌もうまくなって若返るし、このボイトレは良いかも、と思ったんです。美容関係の人に受けたのも、これだけ身体が変化するからかもしれません」
そんな奇跡まで起こるとは。ふだん意識していなかった首や喉周りには大きな可能性が秘められていそうです。
「首とか結構大事なんですけど、意外に言われてないですよね。私も首に気付いてからは疲れがなくなったんです。アンチエイジングボイトレで声を身体に響かせることで代謝がアップしたり、きれいになったり、抜け毛が減るといった報告も」
首肩が常にガチガチなので、そのあたりも一緒に改善したらありがたいです。
「私が教えているボイトレでは、身体を楽器にするんです。1番目が身体の使い方を学ぶ。2番目が声の使い方を学ぶ。3番は音楽的なことを学ぶ。1番と2番を一緒にしたのがアンチエイジングボイトレ。すると、自然に歌もうまくなっちゃうんです」
声が大きくなって通るようになったことで、プレゼンが成功したり出世したりする人も続出しているとか。
「社員から重役になったり、海外銀行の巨額投資が集まったり、大成功した方も多いです」
巨額投資……ぜひ声の力でお金を集めたいです。いいことづくめのアンチエイジングボイトレ、さっそく実践させていただきます。
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