十分な医療を受けられない入管施設

入管施設とは?オーバーステイになった外国人が収容される施設。日本の入管は逃亡の恐れなどがなくても原則収容する「全件収容主義」をとり、さらに収容期間に上限を設けない「無期限収容」となっています。これらは国連諸機関から「恣意的拘禁」にあたると指摘され、国際法違反になる可能性があるとして、何度も是正を勧告されています。例えば国連の拷問禁止委員会から、収容をできる限り短くし、収容期間に関しても上限を設けるよう勧告されています。さらに入管施設では職員による収容者への暴行や、医療が必要な人が適切に対処されなかった結果死亡するという事例が度々発生しており、収容者への非人道的対応が問題視されています。入管施設の対応を巡っては各地で訴訟が起きており、国の責任を認める判決も出ています

——入管施設内の環境もよくないというか、相当劣悪だと聞きます。

ただ生きのびるために日本に逃れてくる外国人を知って欲しい【入管法改正・仮放免の現実】第一回_img0
写真:Shutterstock

大澤:食事は与えられます。ですが、病気になった時、病院に行きたいと伝えても実際に行けたのは三週間後だった、というような話は聞きます。そして受診時は縄と手錠を付けられて行くことになります。「本当に恥ずかしい、私は人を殺したとか物を盗んだとかしたわけではないのに、犯罪者のように扱われる」とある方は言っていました。オーバーステイを問題視する人もいますが、結果としてオーバーステイになってしまった、ということも少なくないんです。国に帰れないのに難民申請が通らないから、というケースもそうです。

 

——実質罪人扱いですよね。「収容」という言葉がまずもう完全に刑務所と同じような言い方です。2019年に収容されていたクルド人の男性が暴行を受け、国に賠償を求めた結果、先日4月20日に国に賠償をするように命じる判決もでるということもありました

大澤:ビデオで公開されたものからは、職員が収容者を押さえつけたりということも行われている様子がわかっています。それ以外でも実際はもっといろんなことが起きているんだろうなと思います。


大澤優真さんTwitter:@yumananahori
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取材・文/ヒオカ
構成/坂口彩(編集部)
撮影/柏原力
 

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