東京都心生まれ、小学校から大学まで女子校育ち、卒業後は大手弁護士事務所の秘書として数年働いた後に弁護士と結婚し寿退社......という、まるで非の打ちどころのない人生を歩んできた静香さん(仮名)40歳。
結婚後に夫の浮気が発覚したものの、「女は30歳までに出産すべき」と信じて娘さんを出産されました。結婚・出産をすれば幸せになれると思い込んでいた彼女は、産後の辛い現実を目の当たりにし、本人曰く「頭のネジが外れはじめた」と言います。現在はひっそりと離婚準備を進めているそうですが、そこに至るまでの経緯を教えていただきました。
前回記事
「夫のスーツから出てきたヤバいもの...」新婚で浮気が判明。妻が夫に伝えた一言と、意外な事実 >>
職業:事務、ボランティア活動
家族構成:夫、10歳の娘
子どもを産んで幸せになる予定が…
『出産は女の最大の幸せ』『女は産んで一人前になる』
そんな言葉を散々聞いて育ち、そして、それを疑うことなく信じていたという静香さん。しかしそれは、静香さんにとっては理想論でした。
「赤ちゃんが可愛いのは別として……産後のボロボロの生活が『最大の幸せ』かと聞かれると、Yesとはどうしても答えづらかった。それに一人前どころか、育児に手こずるたびに自分の未熟さ、醜さがどんどん引きずり出されているようで。
それなのに、2人目はまだ? 幼稚園受験は? とか、また難易度の高いタスクがどんどん加わって……。途方に暮れました。話がちがう、私の人生って何なの? って」
思春期からゴールと信じていた生活が、理想のものとはかなり違った。産後の苦労には個人差もあると思いますが、静香さんは心身ともに支障をきたし、一時は心療内科に通うほどだったと言います。
動悸や過呼吸、不眠に食欲不振に脱毛症……。そんな症状に苛まれたのは人生で初めてで、かなり戸惑ったそうです。
「いわゆる『産後うつ』だったみたいです。でも、夫は家の殺伐とした空気から遠ざかりたいのか、また帰宅が遅くなりほとんど頼れないし、頼る気もありませんでした。母は私と娘の世話をしたがりましたが、母が来ると助かる反面、小言が多くてストレスが溜まって。なのでシッターさんや近所の託児所に娘を預けたりしながら、なんとかやっていました」
幸い、娘さんの成長と共に、静香さんのうつの症状はだいぶ治っていきました。けれど理想を砕かれた虚無感は消えず、夫婦の溝も深まる一方でした。
そして、再び夫の浮気が発覚したのです。
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