「私が勝手にでっちあげた字は、残念ながら一つもありません」。そんな前置きから始まる1冊の本があります。その名も『奇妙な漢字』、著者は作家の杉岡幸徳さん。いやいや、漢字には結構自信ありますけど? という方もご安心を。この本には、目を疑い、頭が混乱し、意味を考えてもちっともわからない漢字が、これでもかというほど登場します!
じっくり見つめていると小宇宙が見えてくる(ような気がする)入り組んだ漢字から、似ているようでビミョ〜〜〜に違う引っ掛け問題のような漢字まで。今回は本書から特別に「奇妙な漢字」の一部をご紹介します。著者・杉岡さんも思わず首をひねる様子が伝わってくる、楽しい解説コメントと共にお楽しみください!
形が奇妙な漢字①
麺のためだけに存在する字
中国の陝西省(せんせいしょう)に「ビァンビァン麺」という麺料理があるが、それを表記するためだけに存在する漢字。
ビァンビァン麺とは、きしめんのような幅の広い麺を茹で、その上に唐辛子、醬油、油などをかけたもの。この漢字の内部は複雑怪奇で、中にはごったまぜになって「具」が絡みあっている。麺類がとぐろを巻いているようにも見える。
あまりに複雑すぎるので、この漢字の書き方を覚えるための「詩」すら存在する。もっともそこまでして覚えても、「ビァンビァン麺」と書くとき以外に使い道はないのだが。
形が奇妙な漢字②
下心はむなしい
「下心」である。
なんだかいかがわしい字だが、意味は「心がむなしい」だから、できすぎている。
なお、「忐(たん)」という漢字もある。「上心」だから「忑」と正反対の意味かと思いきや、意味はまったく同じ「心がむなしい」だから、よくわからない。上も下も心はむなしいのだろうか。
思わず目をこすりたくなる!? 似て非なる漢字4つ
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