筆者はたまに悩みます。ビジネスメールの文面に。40代なので社会人経験はそこそこありますが、それゆえに「気持ち」より「効率」を優先している感が否めないのです。「い」を打てば「いつもお世話になっております。ライターの金澤です」までセット、「も」を打てば「問題ございませんのでお進めください」が出るようパソコンの辞書に登録。その他にも“メールを捌く”ための定型文を山ほど辞書登録しています。事務的なやりとりならそれで問題ないですが、温かな内容のメールをいただいた時など、普段「一語入力、はい変換!」で捌いているが故に、気の利いた言い回しに悩んで時が止まってしまうことがあります。

スマートで温かさを感じさせるビジネスメールって本当に難しい! と、パソコンの前で固まる筆者にアイデアを授けてくれたのが、書籍『短いのに感じがいいメールが悩まず書ける本』です。本書は手紙コンサルタントの亀井ゆかりさんが、具体的な文例を豊富に挙げながら「温かみや親近感」を与えるビジネスメールの書き方を教えてくれる一冊。そこで今回は本書から、定型文登録ヘビーユーザーの筆者が「これなら迷わない!」と膝を打ったアイデアを一部抜粋してご紹介します!

写真:shutterstock

良いビジネスメールとは、きちんとした形式をはずしていないにもかかわらず、受信者が「語りかけられている」と感じるようなメールです。そういったメールの内容は、自然と頭に入ってくるものです。また、相手の印象に残るメール文とは、自分なりの言葉や思いが素直に書かれたものです。それは書き手の顔が浮かんでくるような文です。

しかし、自身の言葉ばかりですと、文面は個人的で相手との距離感が近すぎるものになってしまいます。形式をしっかりと守りながら、自分らしさも盛り込む、これが簡単にできたら素敵ですね。そんな方法をいくつか紹介いたします。

 

「自分の言葉」プラス術で、親近感・温かさのあるメールに


形式的な内容のビジネスメールを送らなければならない時、型を守りつつ、そこに自分らしさや存在を匂わせたいと思うことはありませんか。このような時は、定型文にひと言、「自分らしい」言葉、気持ちや表現を入れてみてください。すると、形式を崩すことなく、文面に気持ちがこもり、特別にその受信者のために書かれたメールという印象が伝わります。

 

<①の言い換え例:自分らしい言葉をプラス>
・思い描いたものが実現できました。
・反省点はあれど、やり切った感でいっぱいです。

<②の言い換え例:親近感・温かさが伝わるフレーズ>
・○○様にはいろいろとお骨折りいただきまして、本当にありがとうございました。おかげさまで記憶に残るイベントになったと自負しております。
・イベント中は曇天にもかかわらず、入場者数、売り上げ数ともに目標を大きく上回ることができました。これも○○様の魅力的な企画のおかげでございます。

簡単な一文を入れるだけで、伝えたい内容はそのままで雰囲気が一気に変わるので、この方法は便利です。
 

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印象がぐんとよくなる! 覚えておきたい「クッション言葉」
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