腟を使うという意味でも更年期からのセルフプレジャーはあり!
泌尿器科医の関口由紀先生も、興味がある方や抵抗感がない方には、ミドルエイジからのセルフプレジャーを積極的にオススメしているといいます。
「医学的には廃用性萎縮と言いますが、人の身体は使わないと機能が衰えていきます。もちろん腟も同じです。閉経後に腟をまったく使わなければ萎縮が進み、腟の不快感や尿漏れ、性交痛などのトラブルにつながる可能性が高まります。これをGSM(閉経関連尿路生殖器症候群)といいます。
一切の性活動はしたくないという方には骨盤底トレーニングや腟マッサージなどを勧めますが、もしご自身が心地よく生活に取り入れられるならセルフプレジャーはとてもいい習慣です。私は更年期以降の女性を外来で診療していますが、セクシュアルアクションを続けている方のほうが、明らかに見た目もメンタルも若々しいと感じています」(関口先生)
また、TENGA広報の西野さんは、セルフプレジャーアイテムはひとりでもカップルで使うこともできるので、楽しみながら手に取ってほしいと言います。
「セルフプレジャーはハードルが高いと思っている方もまだ多いかと思います。カップルでも使えるビギナー向けのアイテムをひとつご紹介しますね。
かわいいゼリーのような使い切りのアイテム『iroha petit』は、チュルンとした新感触で、これを肌に押し当てたり、 なぞったりして使います。捨てる時もポイっと簡単。98%が水分なので、冷蔵庫で冷やしたり、お風呂で温めたり、好きな温度で試してみてください。
セルフプレジャーをする・しないは、ご自身の自由です。より適切な知識を得る機会があり、ハッピーな性活動ができるなら、もっと性を楽しめる方がたくさんいらっしゃると感じています。今、セルフプレジャーやフェムゾーンのケア、トレーニングに興味を持つのが、恥ずかしいことではなくなってきています。セルフプレジャーをしてみたい、 腟ケアをやってみたいと思ったら、臆することなく挑戦してほしいと思います。当社のストアでは、女性の店員が接客をさせていただくので、気軽に立ち寄ってみてください」
いくつになっても性を楽しむことは、心身の健康や活力にもつながっていく。もし「恥ずかしい」という理由だけで二の足を踏んでいる人がいるならば、最初の一歩を踏み出してみてもいいかもしれません。
取材・文/熊本美加
構成/宮島麻衣
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