白い花は一種類でもきれいですが、さまざまな白が集まると、また違った清楚な美しさがあります。少し離れた親族の不幸があり、すべてが終わってしばらく経ってからのことでした。知人がそっと白い花束を渡してくれました。大げさではなく、けれど気持ちのこもった花束。悲しみの場で、人は言葉を失い、またどう対してよいかわからずに、顔を背けてしまうこともあります。そんな時、花は言葉の代わりになってくれることを、私も今までの経験から感じてきましたが、自分が受け取る立場になって、その意味がより深くわかった気がします。言葉で伝えられないものを伝えるとき、人は「形」を必要とするのです。花はその最も美しい形だと思います。