違う価値観も悪くない
長男の私立中学進学を想定して仕事に励んでいた早苗さんですが、ダメで元々と、倍率の高い公立の中高一貫校も受検、合格することができました。早苗さん曰く、ここではパパ譲りの社交性が小学校生活を反映する調査書に有利だったと嬉しそうに話してくれます。
現在、早苗さんは次男の受験勉強に伴走しています。「全員、受験を頑張るのですね」と感心して尋ねると「もちろんです。なんでも全力で頑張るのが人生です!」と、芯の強さをうかがわせる早苗さん。
生活する中では、今も「元ヤンパパ」は少々規格外の行動があり、とくに長男の学校の父兄の間では浮いていると感じることもあるとか。それでも、そんなことは些細なことだと思わせる説得力がありました。
育った環境、学歴や価値観の違いは、夫婦というひとつの緊密なチームになったときに大きな摩擦を生む可能性があります。それがより似通っている夫婦のほうが一見、生活はスムースかもしれません。
しかし、生じた溝を埋めるために試行錯誤することで、陳腐な言い方ですが絆は強固にもなり得ます。
全く違う考えを持っていても、お互いを尊敬する気持ちがあれば乗り越えられる。
そう思わせてくれる取材でした。英明さん、早苗さんご一家がますます充実の生活を送られること、心より願っています。
取材・文/佐野倫子
構成/山本理沙
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