「アラフィフの壁」を無理なく、軽やかに越え続ける漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが、自らのアンテナに引っかかった事象を紐解く連載です。夏休みシーズン本格到来! 都内から在来線で1時間の距離、アラフィフ女性が身も心もリラックスできる穴場スポットの「Airbnb」を利用してみました。

「期待をはるかに超えた最高のおもてなしを提供する、模範的な」スーパーホストの宿へ


世の中には、人に貸せる素敵な家を持っている人がこんなにたくさんいるとは! 空き部屋を貸したい人(ホスト)と、借りたい人(ゲスト)をつなぐ民泊のサービス「Airbnb」のサイトを見ると、インテリア雑誌に載っているような素敵な部屋が次々と出てきます。インドネシアのヴィンテージ家具が並ぶ部屋から海や江の島が見えるリゾート住宅、築170年の農村歌舞伎廻舞台を一棟貸し空間に改修、など家主のこだわりと手間をかけた居心地の良い部屋の数々。

もし「Airbnb」に自分の部屋を出すとしたらどんな解説文になるのでしょう……。「都内の2LDKは、ところどころに積み重なっている雑誌や本のタワーが存在感を放っています。アスレチック感覚で本の山の間を通ったり、ジェンガ気分で1冊抜き取って読むこともできます。ゲストは室内のあらゆる情報にアクセスできます」。そんな説明文を書きながら、この空間を脱してどこか遠くに行きたい衝動に駆られます。

今回、取材も兼ねて、はじめて「Airbnb」に宿泊することに。多忙な担当編集者Tさんと、打ち合わせやワーケーションできる場所ということで、都内からアクセスしやすい江の島の「Airbnb」をリサーチ。そして予約したのが、江の島の貸別荘「Private villa on Enoshima island / 江の島の島内にある貸切の一軒家」です。サイトの説明によると「2階建てのお洒落な一軒家で、ゲストは露天風呂・プロ仕様の厨房・自転車・プロジェクターなど充実した設備が無料でご利用頂けます」とのこと。しかも「期待をはるかに超えた最高のおもてなしを提供する、模範的なホスト」である「スーパーホスト」の宿なので安心です。

久しぶりの江の島は、最近混雑が激しい都内とは、時間の流れ方が違っていて、平日ということもありますが、かなりのんびりした空気が漂っていました。

 

ここで、江の島「Airbnb」トリップで得られた恩恵を挙げさせていただきます。

 

1.島全体がパワースポット 


鳥居をくぐり、有料のエスカレーターで登りながら江島神社のお宮を参拝すると、心身が浄化されるのを感じます。ちらっと心をよぎったのは、「湘南江の島海の王子」に選ばれた小室圭さんのこと。たしか当時、江の島弁財天を推されていました。あれから紆余曲折あったけれど全てを手に入れた小室さん。弁財天様のご利益があったということなのでしょうか。霊験にあやかろうと、弁天堂もお参り。なまめかしい白肌の弁財天様を拝ませていただきました。パワースポットのエネルギーに満たされている島です。

 

 


2.お土産屋がエモい


有名な観光地なのに、そこまで商魂がギラギラしていなくて、お土産の価格帯も手頃です。せんべいやアクセサリーや籠、貝など……。どこか昭和の佇まいを留めているお土産店も多いです。とくにエモさを感じたのは貝殻のグッズ。おかんアートのような貝殻で作った動物や、貝殻のアクセサリーケース、大量の貝殻の詰め合わせ1000円など。世の中の物価上昇とは隔絶された良心的な価格帯で、掘り出し物だらけの予感です。