暑い夏といえば、やっぱり怪談や怪異現象! というわけで、この時期にぴったりのマンガがあります。それは、Palcy、月刊少年シリウス、pixivコミックで連載中の『ノイジールームメイト 〜家ナシになったのでイケメンと怪異つき物件で同居始めました〜』。でも、怖いだけじゃないのでご安心を。眉目美麗な男子がたくさん登場し、コメディ要素もたっぷりの作品です。


引っ越し初日に部屋が水浸しで、家を失う!


高校を卒業し、一人暮らしをはじめたばかりの青年・黒江旺介(くろえおうすけ)は、アルバイトの面接からアパートに帰ってきて呆然とします。というのも、今朝引っ越してきたばかりなのに、上の階の部屋の水道が壊れてしまったために、旺介の部屋が水浸しになっていたからです。大家さんに、「悪いんだけど別のお部屋 見つけてもらえないかしら?」と言われてしまいます。

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過保護な兄と姉を3年がかりで説得し、自立を目指して借りたアパートから出ていかなくてはならなくなってしまった旺介。風呂なし、トイレ共用の家賃3万円という物件で、これからアルバイトを探すという旺介にとってはこの家賃を払うだけでもギリギリの立場。いきなり引っ越すことになっても、次を見つけるのは容易ではありません。公園のベンチで嘆いていたところに声をかけてきたのが、サングラスをかけた謎の男。「たまたまうっかり聞こえてきた君のその悩み 解決してあげられるんじゃないかと思って」と、「神来社(からいと)不動産」という名刺を差し出してきます。

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行き場を失った旺介は、怪しいと思いつつ、その謎の男について行くことに。案内されたのは高級そうなマンションで、謎の男はここが家賃3万円でいいというのです。半信半疑の旺介でしたが、実はこれには条件がありました。金髪イケメンでタトゥー入りの結城虹生(ゆうきにじお)と同居しろというのです。謎の男は虹生に、「この子かなり“使える”と思うよ」とささやきます。

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考える間もなく、虹生のいる部屋に放り込まれた旺介。行き場のない旺介は、しばらくここで厄介になりつつ、なるべく早く部屋を見つけることを誓います。

 
 

高級マンションで家賃3万円! 美味しい話には裏がある?


広々としてきれいな部屋で家賃は破格の3万円! でも、無愛想で近寄りがたいイケメンとの同居は心が休まりません。それにしても、この安さ、あまりにも不自然過ぎます。ワケありで、いわゆる「事故物件」なのでしょうか? そんなことを考えていると、寒気がしてきました。とっとと寝ることにした旺介ですが、寝ている時に金縛りと尋常ではない寒気に襲われます。

同居から2週間が経ち、相変わらず旺介の金縛りと寒気は続いていました。寝不足のせいでせっかく決まったアルバイトにも集中できず、食欲も落ちていました。この日の夜も同じように布団の上で誰かがズルズルと這い上がってきて、寒気に襲われます。「助けて!」と強く思ったところで、いつもは我関せずの虹生が旺介を叩き起こし、動揺する旺介の手を握り、「こうすればちょっとは落ち着くだろう」とひとこと。

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あれだけ寒かったのに、虹生に触れられると寒さが消えたため、ダメモトで「もう少しここにいてもらってもいい?」と言ってみたところ、意外にも「まぁ別にいいけど」との返事。手を繋いだままであれば、いつもの金縛りの寒気もなく、旺介はこの部屋に来て初めて爆睡することができました。

スッキリした目覚めを迎えた旺介は、この部屋を紹介してくれた謎の男がいる不動産屋を訪ね、「心霊物件ってやつですよね!?」と問い詰めますが、男は否定しませんでした。その足で仕事に行った旺介は、今度はアルバイト先でも例の寒気を感じ、幽霊のようなものを見てしまいます。耐えきれなくなった旺介は、野宿になってもいいからもうあの部屋から出る! と決意。部屋に帰ったところ、目の前に得体の知れない何かが立ちはだかり、金縛りと寒気に襲われます。部屋にいた虹生に助けを求める旺介。彼はどうなってしまうのでしょうか?

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なぜか突然、怪異が見えるようになった旺介の憂鬱。


意識を失っていた旺介が正気に戻った時、全ては終わっていました。実は旺介にこの物件を紹介した不動産屋は、表向きは普通の不動産屋なのですが、『怪異向け』の物件紹介をしていて、虹生もそこの社員でした。旺介が家賃3万円で住むことになった高級マンションは“雪女”に不法占拠されていたので、立ち退き交渉をしていたというのです。

虹生は霊能者としてはかなり優秀なようで、強い霊力が仇となって怪異の方が避けてしまうために、仕事に支障がでていたとのこと。旺介が水浸しになったアパートから出ていく羽目になり、公園で呆然としていたところを不動産屋が偶然見かけた瞬間に、旺介が怪異に気に入られそうな体質であることを見抜き、スカウトした、というのがことの真相でした。家賃3万で高級マンション住まいだなんて、うまい話にはガッツリ裏があったというわけです。

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虹生と暮らしていたマンションには雪女が居着いており、旺介をうまく利用して虹生が立ち退き交渉に成功したため、旺介はまた宿なしに逆戻り。そこで不動産屋が改めて提案したのは「住み込みのバイト」。また虹生とペアになってワケあり物件に住み、怪異への立ち退き交渉をしないかというのです。なぜか怪異に好かれる体質であることが明らかになった旺介は、何の因果か、虹生との同居生活が続くことになってしまったのでした。

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物語には、第一話に登場する「雪女」をはじめ、「トイレの花子さん」や「座敷童」といったメジャーどころはもちろん、現世に未練を残して亡くなった人など、さまざまな怪異が登場します。旺介にとっては生きた心地がしない出来事の連続で、ペアは無愛想な金髪イケメン。でも、依頼をこなしていくうちに、旺介自身にも責任感が芽生え、はじめは怖いと思っていた虹生との信頼関係も生まれていきます。のちにこれまたイケメンの先輩社員イケメンペアも登場し、ますます面白くなっていきます。

世間知らずで一人暮らしをはじめたばかりの旺介と、幼少期に何かがあったと思われる虹生は、お互い何かワケありな様子。そんな二人がワケあり物件を舞台に、どうなっていくのでしょうか? タイトルにある「ノイジールームメイト」という言葉は、「厄介な同居人」のこと。「死亡の原因になることはないが、不快な症状が長く続く病気のこと」だそうですが、旺介と虹生という「ノイジールームメイト」の今後が楽しみな作品です。6月8日に単行本2巻が出たばかり。暑い夏の夜にどうぞ!

 

【漫画】『ノイジールームメイト 〜家ナシになったのでイケメンと怪異つき物件で同居始めました〜』第1話を試し読み!
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『ノイジールームメイト 〜家ナシになったのでイケメンと怪異つき物件で同居始めました〜』
緒崎カホ 講談社

一人暮らしを始めた家を、入居初日に追い出された青年・黒江旺介。 そんな彼の前に現れた自称・不動産屋の男は、家ナシの旺介に格安物件を紹介してくれるという。 しかし、連れられた先は高級マンション。戸惑う旺介が部屋の扉を開けると、中から金髪の超絶イケメンが……!? 入居の条件はイケメンとの同居!? しかもこの家、めちゃくちゃ寒い! 超絶美麗な筆致で描かれる、ドタバタ同居系心霊コメディ!

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