番組に応募したら、その日のうちにディレクターに会うことに
──高校生のとき、『さんまのスーパーからくりTV』にご出演されて、一躍有名になられました。番組にはご自分で応募されたんですか?
大江裕さん(以下:大江):そうですね。番組に出始めたのは16歳のときでした。テレビを観ていたら「歌自慢募集」って出たんですね。自分を試してみようかなということで、応募しようと思ってメモを取りだしたらすぐそのCMが終わっちゃったんですね。でもなにかしらのオーディションはあるはずだなと思って、TBSさんに電話しようと思って調べたら、大阪と東京の番号があったんです。そこで東京にかけちゃったんですよね。それが良かったんですよ。東京の番号にかけた瞬間、『からくりTV』の担当に繋がったんです。「今テレビを見せていただいたんですけども、歌自慢募集ってありまして、それに僕応募したいんです」と言うと、「そうですか、わかりました。ちょうど大阪にディレクターが行ってますから、今から会えますか」と言われたんです。番組が終わったのが夜8時で、9時頃に会いましょうとなったんです。その日にオーデションとまではいかないですけど、岸和田の喫茶店でいろいろ聞かれて、今どういうことをされてますか、どういう歌かわからないんでちょっと歌ってくれませんかって言われて。
大江:お店の中に他の学生がいるのでもう恥ずかしくて。でも仕方ないと思って、歌いました。そしたら何日かして、「かえうた甲子園の大阪予選があります、とにかく来てください」と言われたんです。そこに参加して、どんどん勝ち続けていくわけです。決勝戦まで行ったのですが、結果は2位だったんです。その時司会だった安住紳一郎さんに、「どういうご気分ですか」と聞かれて、「気分悪いです」って答えました(笑)。それは放送されなかったですけど。でもね、そこで言ってくださったのが、「2位だったら、次は1位になれる可能性があるんだよ」と。そう言われて、また努力していって、積み重ねていって獲った1位の方が重いんじゃないかと思ったんです。安住さんに、「2位だったから次は1位になりたい。僕にとっては1位は演歌歌手になることだと思ってます」とお話しました。その時からあんまりかえうたは歌っていないです。それから『からくりテレビ』で、北島先生の歌の心を知る旅が始まるわけですよ。安住さんが必ずセットで全国を回るんです。北は北海道から南は九州まで。ただ、船に乗れないので困りましたが。
──酔っちゃうからですか?
大江:そう、僕は酔っちゃうから。飛行機もあんまり好きじゃないんです(笑)。北海道はもう仕方ないから頑張っていきました。北島先生の生まれ故郷ですから。
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