スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの”愛するモノ”について語ります。
何度断捨離しても捨てられないワンピースがあります。
「いい歳して花柄なんて~」
という気持ちもゼロではないけど、いつまでも好きなものを着続けたい。
最近はマニッシュなパンツスタイルばかりだったけど、フレンチカジュアル代表のアイテムと言っても過言ではない! のが、APCの花柄のワンピース。
夏になると必ず着たくなるし、かろうじてまだサイズアウトしてないし、そして毎年疑いながら試しに着てみるとまぁまぁ似合う。
「よし。今年もまだ大丈夫。」
もはや自分に暗示をかけながら、このワンピースと向き合っているわけですが、一体何歳まで着ていいのか真剣に考えてみることにしました。
そもそも何が「いい歳して~」と思わせるのか。
それはきっとデザインか色でしょう。
まずはデザインはそんなにピタピタでもなければ丈も短くないし、露出も多くない。
もしこれと同じデザインで黒だったら?
きっと何の問題もないはず。
ということは色?
色はブルー系の花柄で、レトロではあるけどそんなに甘い雰囲気ではない。
じゃあなにさ?
もしかしたら……この小花柄に抵抗があるんではないだろうか。
小さなフラワープリントは女の子のもの、という固定概念が自分にないだろうか。
ジュエリーだって年齢を重ねたら大きいものが似合うようになる。
だから花柄も大きいものの方がに合うようになるのかもしれない、とふと思った。
想像してみると確かに大柄は婦人のほうが似合う。
その柄の迫力に本人も負けず、むしろ丁度いいバランス。
そうか!私はもう小花柄を越えてしまったのか!
むしろ小花柄より私が前に出てしまうんだ。
だから少しばかり恥ずかしいのか……。
妙に納得はしたんだけど、私はやっぱりAPCの花柄が好きなのよ。
どうしても着続けたいアイテムなんです。
だから今は可愛いものに引き算するようにスポーティなスニーカーやキャップを合わせて誤魔化し誤魔化し仲良くやってます。
でもいつかこの花柄を何の工夫もせず上手に着こなせる日がやってくると信じてる。
だって10代の三つ編みかシルバーヘアがこのワンピースに一番似合うヘアスタイルだもの。
写真・文/福田麻琴
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