連日、激しい暑さが続いています。アクティブにあちこち飛び回っている人もいれば、あまりの暑さにヤル気をなくし、家でダラダラしている人も増えているのでないでしょうか。今回のコラムは夏の暑さと景気について解説してみたいと思います。
一般的に暑い夏がやってくると景気にはプラスの効果があると言われています。私たちの消費には、普段生活する上で常に必要となる支出(基礎的支出)と、必要に応じてお金を使うかどうかを決める消費(選択的支出)の2種類があります。
日常的な食べ物や衣類、住居などに対する支出は、常に必要なものですから、気温の変化で支出額が大きく変動することはありません。一方、私たちは暑くなるとアイスクリームを食べたり、行楽地に出かけたりするなど、いつもとは違う消費行動を行います。こうした選択的消費というのは、基礎的な消費に上乗せされますから、夏の気温が上がるとプラスアルファとなり、経済を後押しすることになります。
夏と聞くと多くの人はビールの消費が増えると想像するかもしれませんが、ビールは意外にも季節による変動が少ない商品です。ビール好きの人は冬でも夏でもビールを飲みますから、お酒の中では、むしろスピリッツ類の方が夏に売上げが伸びることが知られています。最近はウイスキーやジンなど、アルコール度数の高いお酒を炭酸で割る飲み方が人気ですが、今年の夏はこうした商品がさらに売上げを伸ばすのではないでしょうか。
夏のイベントが経済効果をもたらすことは皆さんも想像しやすいと思います。このところ各地で花火大会が開催されていますが、晴天が続き、気温が高い方がイベントは盛り上がりますし、人出が多ければ、関連した消費も増加することになります。
意外なところでは、夏の気温が高くなると胃腸薬や使い捨てカイロが売れたりします。
暑くなると冷たいものをたくさん飲むためお腹を壊す人が出てきますが、これが胃腸薬の販売を増やす原因と考えられます。使い捨てカイロなどの商品は、当然のことながら冬の方が圧倒的に売れますが、夏だからといってゼロになるわけではありません。
夏の気温が高いと、冷房の設定温度を低くしがちであり、冷え性の人にはつらい季節となります。このため暑い夏には意外とカイロの消費が拡大するのです。同じような理由で保温下着や靴下なども売上げが増えることがあります。
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