長男と次男、2回の育休を取得
――パパ頭さんはふたりの息子さんが生まれた際、それぞれ育休を取られたんですよね。
パパ頭さん(以下敬称略) 長男が生まれたときに1ヵ月、次男が生まれたときに3ヵ月育休を取得しました。取得した理由としては、自分自身の希望として育児に専念したいと思っていたから、というのはもちろんですが、それに加えて1回目の育休は「妻のために取った」という意識が強かったです。
初めて子育てをする中で、価値観や考え方にも変化が出てくるはず。だから、今後妻と足並みを揃えるためにも、僕も育児に専念したいと思いまして。2回目は、次男の“とと”が生まれてくるとき、「長男の“にに”が寂しい思いをしないように」という気持ちから育休を取らせていただくことにしました。
――育休はスムーズに取得できたのでしょうか。お仕事が「先生」ということで、調整は大変ではなかったですか?
パパ頭 上司は快く了承してくださったのですが、教員は常に人材不足なので、代わりに授業をしてくれる先生がいなかったらどうしようと、相当ハラハラしました。国語・数学・英語などの人気科目は代わりの先生も見つかりやすいんですけど、僕が教えているのは公民科。その中でもニッチな「倫理」です。だから、運よく見つかったのは幸いでした。とはいえ、念のため極力授業に影響が少ない、夏季休暇や年度末に合わせて取得することに。僕は高校教師だからまだよかったですが、小学校・中学校はより教員不足が深刻です。現代の日本においては教職に限らず、勤め先に経営的な余力・体力があるかどうかで男性の育休取得に大きな差が出てくるんじゃないか。実際取得してみて、そんなことも感じています。
「妻不在」のワンオペ育児に打ちのめされて気づいたこと
――育休に入ってからの奮闘ぶりも漫画でコミカルに描かれていますが、育休1回目と2回目で違いを感じることはありましたか。
パパ頭 1回目の育休を経験して、その後も自分なりに育児に時間を割いてきたつもりだったので、「案外うまくできているんじゃないか?」と調子に乗っていた部分があったんです。でも、2回目の育休で妻が次男の出産準備に入り、長男と1対1になってあることに気づきました。「僕が育児をしているときは、いつも妻がいた」ということです。
パパ頭 考えてみれば初めての育休が明けた後、妻は日中ひとりで育児を回してくれていました。僕はそこに、帰ってきてから加わる形だったわけです。だから僕は長男に対して「2対1」で接した経験しかない。それが急に「1対1」になったものだから、信じられないくらい神経を使ったし、1日1日があっという間に過ぎていくし、毎日がもう疲労困憊で……。2回目の育休は、「自分の慢心」と「妻のありがたみ」に改めて気づけたのが一番の収穫でした。
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