若い白では表現できなかった、
大人の白は、粋でセクシー
ともかく白を装う50代60代を目にするたびに、あゝ、大人の白はいいなぁと、何だかワクワクする、これって一体なぜなのでしょう。じつはそこにこそ、オシャレの真髄が宿るからなのです。
若い頃の“全身白”は、気負いすぎの野暮ったさが覗いてしまうけれど、大人になればなるほど“全身白”は粋に見えます。
言うならばオーストリッチのバーキンのようなものも、若いうちに持つのは危険だけれど、年齢を重ねるほどに体に馴染んでくるわけで、それと同じ、全身白こそ、年齢を重ねてから、満を持して挑むべきものなのです。
さらに言うなら、大人の白は、ある意味とてもセクシー。それこそ絵画を際立たせる額縁の中の白いマットのように、大人の白は「女」を際立たせることができるからです。事実、先に述べた、ミシェル・ヨーの白いドレスは、大人を清らかに爽やかに生き生き見せると同時に、充分セクシーにも見せていました。清潔セクシーって、大人にとって、究極のもの。これを狙えるのが、大人の白なのです。
逆から言うなら、白をセクシーに見せてこそ、正真正銘、白を着こなしたことになるはずで、それも、50代からということ。そういう意味からも、キャリアを積んで少し年齢が見えてきた肌にこそ、じつは白が美しく映えるということ、覚えていてください。
若いうちの白が野暮ったく見えたのは、気負い過ぎのケースばかりではなく、白ならばこそ地味に見えたり、ストイックすぎたり。さらに言うなら、若いうちの白はうっかりすると、安っぽく薄っぺらく見えてしまうリスクがありました。これら全てが、白に潜んだ難しさを切実に物語ります。はっきり言ってしまうなら、白はそのくらいごまかしの効かない色なのです。制服ならいいけれど、若さ未熟さがそのまま出てしまう。だからこそ、十分にキャリアを積んでから挑んでほしい色なのです。
夏のワンピースはもちろん、秋のスーツ、冬のコートと、ともかく全身白にこだわって。白に挑むと、大人にしかできないオシャレの醍醐味がはっきりと見えてくるはずです。そして自信も生まれる、じつに価値あるオシャレの挑戦であること、知ってください。
大人のお手本! 世界のセレブたちの白着用に学ぶ「清潔セクシー」なスタイリング一挙公開
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構成/藤本容子
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