スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの“愛するモノ”について語ります。

 
 

ついに......編みました。
憧れのナンタケットバスケットを!
ナンタケットバスケットとはアメリカのナンタケット島の伝統工芸品です。
オードリーヘップバーンやジャクリーンケネディがパーティーで持ったことから、唯一、社交界で持つことを許されているバスケットだそうな。
私は社交界に行く機会がないので、毎日のコーディネートに合わせやすく、愛用の長財布が入るデザインを選びました。
時間と労力はかかりましたが、その分愛おしさは格別。
レザー部分を色違いでオーダーして、さらに着せ替えまで楽しんでいます。

 
 

そもそもなぜこんなにもカゴに魅了されるのか。
初めてカゴが好きになったのは、ジェーン・バーキンの一枚の写真です。
若き日のバーキンがストレートのロングヘアをアップにして、白いTシャツにデニムにバスケットを持ったあの写真!
ファッションとは着飾るモノだと思っていた私は、飾らず、自然体のバーキンがとても素敵に見えました。
ノンシャランな雰囲気にやられてしまい、それ以降私もナチュラルなファッションを目指すようになったのですが、その写真で持っていたバスケットが忘れられず、10年くらい!?
理想のバスケットを探し続けることになりました。
残念ながら理想のバスケットは見つけることはできなかったのですが、タイミングよく頂いたカゴバッグコラボのお話で、ついに理想のバスケットを“作る“ことになりました。
その時作ってくださったのは私ではなく、アトリエのプロの皆さんですが、その経験から、カゴバッグは“買う“だけでなく“作る“ことが選択肢に入りました。

 
 

それからこんなカゴが欲しい、あんなカゴが欲しい、とアイデアが浮かんだら、カゴ編み教室で先生に相談しながら作っています。
その延長線でのナンタケットバスケット編み。
もちろん教室で先生に教えて頂きながらですが、淡々と同じことを繰り返すこの作業が、結構自分に向いている気がします(笑)。
むしろすごく集中できてストレス解消!
達成感まで得られて、こんなに嬉しい習い事はないんじゃないでしょうか。
実は自分が予想しているより職人気質かもしれません。
そんな自称職人気質の私がスタイリストとしてこだわったのは、着せ替えられるレザー部分。
黒い服が多いので黒は絶対に欲しかったのですが、夏の白も可愛いし、今年の秋冬はブラウンもトレンドカラー。
毎日使うにはどうしたらいいかって?
このカラバリを揃えておけばどんなコーディネートにも合う!
使えば使うほど、一生懸命編んだナンタケット部分もいい感じに経年変化してくることでしょう。

きっと10年後、もっと似合うこと間違いなし。
大事にしたいと思います。

 

写真・文/福田麻琴
 


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