「育児中の社員」をフォローする女性の苦悩を描いた7話
3年は同じ会社に勤めるべきか問題、非正規だと正社員になれないのか問題など、耳が痛い問題を扱い、毎回、働く人なら一度は通過するであろう悩みや迷いを抱える求職者たちが、悩み抜きながらベストを探していく中で、どう生きるのか? についてまで考えるストーリーに胸打たれる本ドラマ。
印象的だったのが、「子育てと仕事」をテーマにした第7話。「シェパードキャリア」で働く未谷千晴(小芝風花)は、子育てのためしばらく残業ができなくなった広沢絵里香(山口紗弥加)とコンビを組むことに。そんな2人のもとを訪れたのは、8年間勤めた製薬会社を退職した皆川晶穂(黒川智花)。面談は順調に進むも、子育て中の広沢を千晴がサポートしていると知った晶穂は、千晴に担当を変えて欲しい、と申し出たのでした。
魔王様が理由を探っていくうちに、晶穂が気に入っていた仕事を辞めた理由が、育休・産休を経て時短勤務となった先輩社員のフォローをするうち、過重労働が常態化し、限界が来たことだったことがわかります。広沢・千晴の関係を見ていると、かつての自分と重ねてしまった、と言うのです。
子育てしている人は全く悪くない。だからこそ……
この問題、現実社会でも本当によくあることですよね。子育てに限らず、介護など様々な事情で突然休んだり早退したり、時短勤務をせざるを得ない社員の業務を、他の社員がフォローした結果、潰れてしまう、というケース。
実際子育てしている友人を見ていて、本当に子育てしながら働くことがどれだけ大変なことか、と思います。子どもは突然熱を出したり感染症をもらってきたりするのはよくあること。その度に親は保育園に急に呼び出され、看病せざるをえなくなります。急に仕事に来られなくなること、抜けないといけなくなることは日常茶飯事。となるとどうしたって他の社員にしわ寄せが行きます。
でも、この問題で大事なのは、あくまで子育てしている人は全く悪くない、と言うことです。今妊娠するなんて迷惑、なんてド直球のマタハラ発言をする人はさすがにほとんどいなくなったとは思いますが、SNSでは過重な負担を強いられて、自分はフォローさせられている、子育てしている人は迷惑、といった意見はよく目にします。でも、子育ては社会にとってもとても大切な仕事で、子育てをしている以上、周囲に頼るのは当然のこと。その人を責めても何も変わりませんし、責めたところでますます少子化が進むだけです。
やはり、突然人がいなくなっても、周囲に過重な負担がいかないような体制を作るのは、どこまでもマネジメント側の責任なのです。
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