「売れてないならそんな仕事やめろ」の声

 

10月からついにインボイス制度(※)が始まりました。みなさん、何度か耳にしたことがあると思いますが、まずその影響を受けるのはこれまで消費税の免税事業者だったフリーランスです。もちろん、その余波はフリーランスであろうと会社員であろうと、この社会で生きている人ならみなに押し寄せると思います。
※インボイス制度については、渥美志保さんのこちらの記事が参考になります。

 

このインボイス制度を巡っては、様々なところで侃々諤々の議論が巻き起こってきました。当然、消費税の免税事業者だったフリーランスからは「生活が成り立たなくなる」といった声がたくさん上がったのですが、それに対してSNSではこんな声も上がったのです。

・インボイスが導入されたぐらいで廃業するなら実力がない
・インボイスが嫌ならフリーランスを辞めろ
・売れないなら需要がないということ。辞めてしまえ

こういった論調はいたるところで聞かれました。これらの意見を見聞きして筆者が思うのは、「フリーランス叩きって、本当に気持ちがいいんだな」ということです。ある意味、中毒性があるのだと思います。フリーランスという働き方への先入観とイメージが、批判をしていた人々の心を触発するのだと思うのです。そのイメージとは

・自由でお洒落な働き方
・趣味や好きを仕事にしている
・夢を追っている

というもの。以前のコラムでも書きましたが、筆者は常々、「なれるもんなら会社員」と思っています。フリーランスは全然ラクでも自由でもなく、綱渡り状態の泥臭い不安定な働き方だと思います。フリーランスといってもその実態は実に多種多様。イメージだけが独り歩きして、実態との乖離が進んでいると思います。ではこのイメージが批判をしていた人々の心を触発する、というのはどういうことでしょうか。