人生には我慢や忍耐が必要。たしかに、それは一理あると思います。我慢をしなければ成し遂げられなかったこと、行けなかった場所、会えなかった人。そうしたものが、誰にでも一つや二つはあるのではなのでしょうか。ですが、経営者、著述家、講演家とマルチに活躍する午堂 登紀雄さんは、「人生で我慢しなければならない場面は少ない」と断言。

午堂さんの著書『そんな我慢はやめていい 「いつも機嫌がいい自分」のつくり方』では、我慢には「意味のある我慢」「意味のない我慢」があり、後者は自分で自分を追い詰めるだけ。だから、「意味のない我慢」は今すぐ決別すべき、と教えます。では、人間関係における「意味のない我慢」とは? 本書から一部抜粋してご紹介します。

行きすぎた我慢で「無色透明の人」になってない?「嫌われないための同調」は今すぐやめていい_img0
 


「感情を表に出さない人」に、周囲は無関心になる


ほとんどの人は、他人からは嫌われたくないし、できるだけ多くの人から好かれたいと思うものです。そして円滑な人間関係を維持するには、ある程度は自分を抑えたり周りに合わせたりするのも必要なことです。

しかし、その我慢が行きすぎると、人間関係が息苦しく、窮屈になってしまいます。

 

誰とでも良好な関係を築きたいと思って、自分を押し殺してでも周りに合わせて自分の本心を隠していては、逆に誰ともいい関係を築けません。当たり障りのない表面的な関係に終始し、深い関係を築けなくなるのです。

なぜなら、たとえばいつも他人の主張を受け入れる人、相づちだけで自分の意見を言わない人、つねに周りに同調する人は、周囲の人からすれば何を考えているかわからないからです。

本人はがんばって仲良くしようとしているつもりでも、相手に迎合しているだけだから、本心が届かない。多くの人は「感情を表に出さない人」に対しては興味を抱かず、やがて無関心になります。

無表情の人やポーカーフェイスの人に近寄る人があまりいないのは、裏では何を考えているのかわからない不気味な人に感じるからです。

あるいは、嫌われたくないという強い思い込みが、会話をするときの緊張感となって相手に伝わり、相手にとって重い印象になることもあります。