武みたいな男性って、家事や子育てがどれだけ過酷なものか分かっていないんですかね。トイレもお風呂も、魔法でピカピカになるとでも思っているのか……? 料理だって、ただ作るだけじゃない。買い出しに行き、レジ袋に詰めて、それをまた冷蔵庫にしまって……と、作り始めるまでにどれだけの“名もなき家事”が存在するか。それに、郁子は責任持って子どもたちを面倒見てきたのに、バカにされる筋合いなんてない! 武が社会で戦っているのは分かるけど、郁子だって日々戦ってきたんです。
だから、郁子をPR会社にスカウトした八田(渋谷謙人)が、「専業主婦は立派な仕事です。マルチタスクを365日24時間やっている主婦にとって、1日8時間、週に5日働くなんて他愛のないことです」と言ってくれた時は、スカッとしました。お金を稼ぐというのは、“他愛のないこと”ではないけれど、自信がない郁子は、ここまで言われなければ考えを変えることができなかったはず。
さぁ、郁子が経済力を持ってしまったら、経済力だけを盾にしてきた武は、どうなってしまうのでしょうか。とてつもない逆襲が始まりそうで、ワクワクしています。
また、今後はほのかの葛藤にも焦点が当てられていくと思います。1996年生まれで、ギリギリZ世代と呼ばれる私は、ほのかが持つ“満たされない気持ち”もすごく共感できるんですよね。SNSが栄えている現代は、インスタグラムを開けば友人たちのキラキラした毎日をのぞくことができてしまう。そのたびに、自分が足りていないような気持ちになったり、「もっと人生を充実させなきゃ!」と焦ったり。SNSと密接に生きているZ世代は、焦燥感を抱きやすい年代でもあります。
だからこそ、郁子のような上の世代の女性には輝いていてほしいんです。Z世代にとって、彼女たちは“未来の自分の姿”でもあります。なので、年上の女性たちが輝いているのを見ると、年齢を重ねるのが怖くなくなる。同世代だとライバルになりやすいけれど、郁子とほのかくらいに年齢が離れていると、心からお互いを応援し合えると思うんですよね。ほのかもきっと、自分のためにも、郁子にはキラキラしていてほしいと願っているんじゃないかな。そんなほのかもためにも、郁子には生まれ変わってほしい! そして、“過去最高”の自分を更新してほしいと思います。
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