日常で感じる「ちょっとした違和感」について井戸端会議していくこの連載。ウェブマガジン「ミモレ」とその読者コミュニティ〔ミモレ編集室〕に寄せられた皆さんのモヤモヤエピソードをご紹介していきます。

今日ご紹介するのは、交渉が苦手だというモヤモヤエピソードです。

 

交渉するのが苦手…


エピソードをお寄せくださったのは、メーカー勤務のミナコさん(39歳・会社員)。


老舗の機械メーカーに勤めて15年目。事務職として入社しましたが3年前に総合職に転換しました。「総合職と同じくらい残業して働いているのに……」とちょっと不満だったので、待遇が改善して嬉しかったです。ただ、新しい悩みも出てきました。

それは、私の性格が交渉ごとに向いていないこと。

自分の話をするより人の話を聞く方が得意。どちらかというとおとなしい性格で、周囲からは「控えめ」と言われます。周囲をよく見て空気を読むタイプで、強く意見を主張することはめったにありません。

これまでは作業的な仕事が多かったのですが、総合職になると対外的な交渉も任されます。価格や納期などの条件の話し合い、社内でも他部署との調整ごと等、交渉しなければならない機会が色々あります。厳めしい雰囲気の中年男性や気が強そうな若い人が出てきて、ワーッと一方的に話されてしまうと圧倒されてしまうんです。それでいて、沈黙が続くと不安になって、焦ってしょうもないことをペラペラ喋ってしまったり……。

先日オンラインで会議をしたときに、ふと自分の画面を見たらそこには弱気でおどおどした表情の私の顔が。「私、こんなんでやっていけるのだろうか……」と情けなくなってしまいました。

 


交渉は「静と動」のバランスが大事

 

ミナコさん、お仕事お疲れ様です。総合職への転換にチャレンジされたとのこと、前向きにキャリアを開拓しようとしている姿勢が素晴らしいと思いました。

一方で、チャレンジには「壁」もつきもの。その一つが交渉なんですね。確かにビジネスでの交渉ごとというのは、色々なスキルが求められるもの。パッと思いつくものだと、物おじせず意見を主張する心の強さ、相手を説得するロジカルな話し方、相手からの反論や意見に切り返す当意即妙な対応力……。どれもなかなかアグレッシブなスキルで、ミナコさんのようなタイプの方には相性が悪いもののように感じられるかもしれません。

しかし、交渉というのはそんなにシンプルなものではありません。

 
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