老親の介護・看取りは、外部の人やサービスへ丸投げできるほど甘くはない

 

中年期に差し掛かったとたん、一気に現実味を帯びてくる親の介護と看取りの問題。この高齢化社会では、親が老齢でもまだまだ元気でそんな心配とは無縁という人も多いと思いますが、それでも「いざ要介護状態になったらどうしよう」「どうやって看取るのがベストなのか」といった不安や疑問が、頭の片隅にはあるのではないでしょうか。

 

昨今は、施設やサービス、保険制度の充実ぶりを紹介して介護・看取りへの不安を緩和してくれる書物が多く存在しますが、どうやら外部の人やサービスへ丸投げできるほど現実は甘くないようです。

そんななか、1000人以上を看取ってきた在宅医・中村明澄さんの著書『在宅医が伝えたい 「幸せな最期」を過ごすために大切な21のこと』には、「幸せな最期」を送るためのヒントと同時に、医療機関や介護サービスへ過度に期待してしまうことへの警鐘といえる事例も紹介されており、「素人の自分が介護するより、プロに任せた方が幸せ」と、親の介護をどこか他人事のように考えていた筆者には痛烈な一撃となりました。

そこで今回は、本書から親の介護・看取りに関して子が最低限しておくべきことについて書かれた部分をご紹介したいと思います。