希望を叶えるために必要なのは「部分リノベ」? 「フルリノベ」?


人生はパン生地のように膨らんだり、縮んだりするもの。一人から二人、四人へと増えることもあれば、子どもが巣立ったりパートナーと別れたりして、ひとり生活になることもあります。同居する人数が変化したあと、思い出を大切にするのも素敵ですが、「家が老朽化した」「スタイルが変化した」「バリアフリーなマンションに引っ越ししたい」といった気持ちがあるならば、今の住まいをリノベーションするという選択肢を考えてみましょう。

リノベーションにも、家全体を変える「フルリノベ」、キッチンなどの水回りや壁紙などの「部分リノベ」があります。
部分リノベであれば、ポイント的にキッチンメーカーや造作家具屋さんなどにオーダーするだけでも可能です。リノベでなく、照明や家具を変えたり、ラグやカーテンを変える「模様替え」で希望が叶う場合もあるでしょう。

迷うのはフルリノベ。せっかくだから自由設計で、デザイナーや建築士にお願いして…… と思うかもしれませんが、想像以上に決めなければならないことがたくさんあります。コストコントロールも大変ですし、体力的、金銭的、精神的に余裕がなければ大きなストレスにもなります。建築家やデザイナーに「お任せします」と言ったものの、進んでいくうちに「やっぱりこれは違う、あれも違う」となるのもよくあるケース。あなた自身(施主)にとっても、請け負う側にとっても大変な事態に陥ります。

「自分が好きなスタイルがはっきりしていない」と感じる場合、私はハウスメーカーなどが提案している“パッケージ型リノベ”をおすすめします。選択肢がある程度決められているため、床材や壁材も数種類から選べばよいのと、価格も決まっているので、コストコントロール的にも、イメージに合うかどうかという点においても、スムーズに進められます。知識がなくても時間がなくても、精神的にラクだともいえます。一方、好きなデザイナーや建築家がいて、やりたいことと想定している予算が見合うならば、思い切ってお願いするのも素敵です。その人と相性よくお任せできるかどうかは、事例が全て。テイストが本当に合うか、いくつも写真を見て判断することが大事です。

私の場合、日本における事例は男性的でモダンなデザインが多く、これが好き! と感じるデザインにたまたま出会うことができませんでした。そこで、素材や建築事例を勉強して自分でデザインしていくという道を選びました。

 
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