思い立ったときに気軽に行きたい1泊2日の冬の旅。防寒しながら二日間のおしゃれを楽しむには何を着て、何を持っていけばいい? 「ミニマムに旅をするのが好き」というスタイリスト福田麻琴さん流の、アクティブにその土地を歩き回る旅でも天候に左右されない、おしゃれで快適な旅コーデと旅バッグの中身を見せていただきました。
一番大事にしているのは「天候に左右されない」こと。
旅の時間をできるだけ快適に楽しみたいから
「先日、家族で岩手を訪れ、中尊寺などの世界遺産を見てきたばかりなので、今回は一泊二日で世界遺産を巡る旅を想定して、寒い日に旅先で歩き回っても快適なコーディネートを考えてみました。
旅のワードローブ選びで一番大事にしているのは、天候に左右されないこと。一泊二日という短い時間をできるだけ快適に楽しみたいので、雨に濡れてもOKなアウターや靴選び、寒さ対策をまずは優先するようにしています。となると、どうしてもナイロンのアウターに防水のブーツといったアウトドア系のアイテムを選ぶことになるので、見た目の印象がどんどんカジュアルになりがち。なので首元にスカーフを巻いたりパールのピアスを付けたりと、小物で華やかさをプラスすることが多いです」
【1日目】
普段のブラックデニムスタイルに
馴染ませ黒スカーフで華やかさをプラス
「服装と同系色のスカーフは1、2枚あると何かと便利なので、旅に必ず持って行くアイテムのひとつ。私はスカーフは効かせるよりも馴染ませる使い方が好きなので、今回の黒コーデに合わせてスカーフもモノトーンのものを。アイテム同士が組み合わせやすくて、カジュアルな装いでもどこかシックな印象にまとまる黒コーデは、ミニマムな旅の装いとして、やっぱりすごく便利なんですよね。
旅行に行くからといってあえて特別なものを着ることはなくて。普段からデニムを穿くことが多いので、デニムをベースにしつつシンプルなニットを合わせて、ロケ撮影のときにも着ているアウターを羽織るようなスタイルがいつもの私の旅スタイルです。靴も普段から履いているもの。気負わず日常の延長で旅をするような、“暮らすように旅する“感覚が好きなんです」
【2日目】
着るだけできれいめな場所にも対応できる
「黒ワンピース」は旅に欠かせない一枚
「2日目はデニムとニットを黒ワンピースに変えて、あとは基本的にすべて同じアイテムです。例えば予約していたレストランの雰囲気が思っていたよりきちんとしていたときなども、黒ワンピを着て鮮やかな色のリップでも塗れば、一瞬でパッときれいな印象に見えますし、キャップやリュックを合わせれば動きやすくアクティブな雰囲気も出せるので、黒のワンピースは一枚あるとすごく便利。なので季節問わず、旅には必ず持っていきます。
白キャップを被ったり、前日は首に巻いていたスカーフを2日目はバッグに巻いたりして、1日目と印象が変わるように小物で工夫しています」
【福田さんの旅バッグ】
アウトドアっぽくなりすぎない、
プレーンなデザインが大人っぽいリュック
「旅先では両手が空く状態で過ごしたいので、リュックを選ぶことが多いです。天候に左右されない装いとなると、どうしても見た目の印象がカジュアル寄りになるので、リュックはあえてアウトドアブランドではない、シンプルなデザインでデイリーに使っているものを。AETAのリュックはブランドのロゴすら表に入っていないシンプルさが気に入ってます。ここまでシンプルなものって、探すと案外ないんです」
【旅バッグの中身】
一泊二日なら持ち物は最小限に。
とはいえ、旅先で読む本は必ず持っていきます
「ミニマムに旅行をするのが好きなので、あれこれ持ちすぎないようにしていますが、本は何かしら一冊必ず持っていきます。宿泊先や旅の道中で本を読む時間がすごく好きなんです。旅に出て本を読むって、とっても贅沢な時間の使い方ですよね。持っていく本は旅先に関連した本を選ぶことが多いかな。旅先で現地の本屋さんに行って、その土地に関係する本を買ってみたりすることも」
1. 白キャップは被るだけで顔周りを明るい印象にしてくれるし、どんな服装にも合わせやすいんです。キャップ/ナゴンスタンス
2. 移動中や宿泊先で寝る前に本を読む時間がたまらなく好き。
3. サングラスも必ず持っていきます。コーデのポイントになるような、プレーンすぎないサングラスがあると便利。サングラス/オリバー・ゴールドスミス
4. メルシーのエコバッグは旅先で買ったお土産を入れたりする用に。
5. 防寒にもポイントにもなるスカーフはどんな服装にも合わせられるように、色数の少ないものを。夏はシルク、冬はカシミヤと、季節によって素材を使い分けています。スカーフ/エルメス
6. 普段から使っているマイボトルを旅先にも。マイボトル/ハイドロフラスク
7. ダヴィネスのオイルは身体にも髪にもマルチに使えるので1本あると便利。
福田さんおすすめの一泊二日温泉宿
法師温泉 長寿館
住所/群馬県利根郡みなかみ町永井650
tel/0278-66-0005
足下から湧き出る、生まれたての温泉を堪能!山奥に佇む秘湯の一軒宿
「お湯の底から源泉が湧き出る“足元湧出泉”に入ってみたいとずっと気になっていた温泉です。三つあるお風呂のうち、国鉄時代のフルムーンのポスターにもなったという法師の湯は、鹿鳴館風の和洋折衷な造りがレトロでまるでタイムスリップしたかのよう。冬は雪が1m近く降るので、暖かく足元が滑らない服装で行くのがおすすめ!」
※掲載アイテムはすベて本人私物です。
着用・スタイリング/福田麻琴
ヘアメイク/陶山恵実(ROI)
構成・文/堂坂由香
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