最終回、美璃と空はどうなる?


おそらく、最終回では数年後の生活が描かれるんだと思います。第8話のラスト、空が目を覚ますと、部屋の壁一面に幸せそうな写真が飾られていました。美璃と空の結婚式の写真、そして2人の子どもの写真まで。ただ、それらを見つめている空の表情は、愛する家族を見つめているものではなかったんですよね。まるで、「誰、これ?」とでも思っているかのようなゾワっとする瞳をしていました。

単純に考えると、これは空がふたたび記憶を失ってしまったということ。ただ、それなら空の横で眠っていた“誰か”を美璃だと分からせてもよかったのでは? と思ってしまいます。もしかしたら、なにか原因があって、美璃とは一緒に暮らしていないのか。だとするならば、あのラストシーンは、記憶が戻った瞬間だという可能性も? またSNS上では、「そもそも、空は記憶を失っていないのでは?」という考察も上がっていました。たしかに、空の表情は、美璃と子どもが姿を消してしまったことに喪失感を抱えている……とも捉えることができます。

 


どのパターンにせよ、美璃と空にとって過酷な運命が待っていそうな『たとえあなたを忘れても』。これまでたくさん傷つき、苦しんできた2人だからこそ、最終的には幸せをつかんでほしいです。

また、本作は美璃と空を支える人たちの心情を丁寧に描いているのも魅力のひとつ。とくに、幼なじみとして空をずっと支えてきた沙菜(岡田結実)の葛藤には、グッとくるものがありました。ラブストーリーだとどうしても三角関係になってしまいがちだけれど、今の沙菜はそんな次元にはいない。もっと深い部分で空のことを愛しているんです。「空と沙菜が結ばれたらみんな安心なのでは?」と思ってしまいますが、空は女性として沙菜を愛することができない。ご都合主義になりすぎないところも、また“人生”という感じがして切ないです。
 

 

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