テーラードジャケットやセンタープレスの入ったパンツなど、ここ数年流行っている、紳士服ライクなアイテムを使ったマニッシュなコーディネート。大人の女性がおじさん風になりすぎずに素敵に着るには? 今回も欧米マダムのスタイルを参考にしながら、スタイリスト佐藤佳菜子さんに着こなしのヒントを教えていただきます。
 

欧米マダムはおじさん服をおじさん風に着ない。仕上がりのゴールはあくまでツヤっぽい女性


「おじさん風ジャケットやスラックスなど、マニッシュなデザインの服が最近ずっと流行っていますよね。取り入れるだけでトレンド感が出せるものの、一歩間違えると本当におじさんのような仕上がりになってしまうことも……。

欧米マダムたちのマニッシュな装いをよく観察してみると、やっぱりどこかに女の人っぽいアイテムを必ず取り入れているんです。例えばこちらのマダム。肩のラインが大きくてかっちりしたジャケットにゆったりとしたスラックスを合わせていますが、先が尖ったパンプスやシルバーのイヤリングなど、ツヤっぽい小物を合わせることで、仕上げの印象はあくまでも大人の女性らしいスタイルに。マニッシュと対極の小物を当て込むことで、あえておじさんっぽい服を楽しんで着ている雰囲気が出ていてとても素敵だなと思います」

 


上下おじさんコーデの日は、インナーや靴で女性らしいツヤを補う

ジャケット、ワイドパンツ...旬のメンズライクな服が気づけば「おじさんぽく」なるのはなぜ?【欧米マダムに学ぶ大人のツヤ感】_img0
 
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カーディガン/ルーニィ 中のニット/アンクレイヴ パンツ/イレーヴ バッグ/ロエベ 靴/ジルサンダー
KANAKO’S コメント 
仕上がりがおじさんになることがおじさんアイテムを着る目的ではないので(笑)、私がマニッシュな服を着るときは、おじさんが絶対に合わせないであろうアイテムを積極的に取り入れるようにしています。今回のコーディネートでいうと、キラキラのラメカーディガンやシルバーの靴など。年を重ねるとどうしても肌や髪のツヤツヤ感は失われていくので、こんな風に小物でツヤを補ってあげるくらいがちょうどいいんじゃないかな、と。

例えば今回穿いたおじさん風スラックスの足元をスニーカーにするなら、トップスはVネックがざっくり空いているニットなど、超女っぽいものを着るとか。おじさん服をそのまんま着るのではなく、真逆のテイストのアイテムを当て込んで「おじさん服を楽しんでいる感」が、大人の女性のツヤっぽい雰囲気を作るのかもしれません。



おじさん服は、女らしさを際立たせるための「引き立て役」として使う

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ジャケット/ダグマー ニット/アンクレイヴ ホワイト スカート/ラシク バッグ/キャスルエディション 靴/ジャンヴィトロッシ
KANAKO’S コメント
こちらのコーディネートも法則としては同じ考え方で、おじさん風ジャケットに対極な印象のボリュームスカートやパンプスを合わせています。むしろジャケットのマニッシュな雰囲気のおかげで、スカートや足元の女らしさがより引き立ってきますよね。おじさんアイテムを大人の女性がツヤっぽく着るなら、女らしさを際立たせるための引き立て役として利用するくらいがちょうどいいんじゃないかな。



次回のテーマは普通の服で着映えるためのテクニックについて。「普通の服を着ているだけなのに、最高に印象的な人になる」ための佐藤さんの服選びや色合わせの考え方について教えていただきます。お楽しみに!


※掲載アイテムで価格が入っていないものは本人私物です。
 

撮影/長谷川怜実(S-14)
着用・スタイリング/佐藤佳菜子
ヘア&メイク/桑野泰成(ilumini)
構成・文/堂坂由香
 

 

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