そのほかのおすすめ国家資格には一体どんなものがあるのでしょうか?

ユーキャン湯谷さんに伺ったところ、「第二種電気工事士」と意外な答えが返ってきました!
イメージは完全に男性……でしたが、最近女性の取得者が増えているそう。

「DIYされる方が増え、人気が上がってきています。というのも、壁スイッチの移動などはこの第二種電気工事士の資格がないとできません。最近は中古マンションのリノベーションも増えており、インテリア系のお仕事でもプライベートでも活かせる資格です」(湯谷さん)

第二種電気工事士は業務独占資格なので、それこそ一生モノ。学科試験と技能試験がありますが、それぞれ合格率は学科50〜60%台、技能60〜70%台と国家試験の中では合格率も高いのも魅力です。

 

山のぼりと資格試験の相似点から目指し方を考える

と、ここまで国家資格を見てきましたが、国家資格は信用度が高い分、難易度も高くなりがちです。だからこそ、「難しい資格を目指すのは素晴らしいことですが、現在地の見極めも大事」と林さんはいいます。

「登山の場合、経験がないのにいきなり富士山に登ろうとしたり、実力に見合ってなければ周りの人も『危ないよ!』と教えてくれるのに、資格試験の場合、自分の実力と距離があっても危ないと言ってくれる人はいません。それどころか『すごいね! 頑張って!』と言われてしまいます」(林さん)

確かに、自分のレベル感と大きくかけ離れていても、資格の場合はそこまで「無謀な挑戦」とは思われないかも。

「資格試験も、らせん階段のように、徐々にレベルを上げていけるのがベスト。例えば富士山の前に高尾山に登ってみるのと同じ感覚です。
先に挙げた宅建士を目指すなら、その前にビジネス法務検定2級・3級を受験するように、難易度の低めの類似資格からチャレンジすることをおすすめします。

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どんな山に挑戦するか、自分の好みとレベルから決めるように、目指す資格も両面から検討してみて。写真:Shutterstock

また、試験との相性もあります。
例えば、ワインエキスパートは、フランスの県の名前を覚えたり、意外と暗記型の試験。ワインが好きだからと思って目指しても、向いていないかもしれません。
富士山を目指してみたけれど、やってみたら、標高が高いけど岩だらけの富士山よりも、脇道に緑や草花が生い茂った自然豊かな山の方が好きだったとなるかもしれません」(林さん)

大きな山に登っている最中に気づくよりも、小さな山を試して気づける方が、いざというときに軌道修正しやすくなります。

難関資格を目指す前に、関連する資格の勉強をすることは決して無駄にはなりません。
それらも含めて、自分に合う資格を見つけてみてください!


構成/佐野倫子

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