現在カナダに親子で移住しているエディターが執筆。先日からカナダの留学生、親子移住者のなかで話題になっているのは、移民局が新たに発表した今後の方針。その概要と影響についてまとめました。

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カナダの移民局が発表した新しいニュースに翻弄される単身留学生や親子・家族留学ファミリー

つい先日新たにカナダ移民局が発表したニュースで、カナダ留学や移住を考えている人たち、すでにカナダに滞在している人たちは、今とてもザワザワしています……。まだ正確に分からない部分もあるので、詳しい解説は避けておきますが、ニュースの本筋は、「2024年は2023年よりも、新規留学の許可証の発行を35%少なくする」ということ。

カナダは留学生を広く受け入れることで国や州に経済的なメリットをもたらしてきたことは事実ですし、留学や移民を目指している人にとってもありがたい環境ではありました。ですが、一部の悪徳な留学エージェントなどに留学生たちが翻弄されてしまったり、留学生の急増により住む場所や医療などのサービスが圧迫されてしまったりしている現状もあるとのことでした。

そのため、これから約2年間は留学生向けの就学許可証の発行数に制限をつけて、是正していくのだそう。

子供の留学や親子留学への影響は?

イラスト:Shutterstock

これからカナダへ子供を高校留学させる人、親子留学を検討されている人にとっては、幸いなことに今回は影響がありません。小学校・中学校・高校の就学許可証の新規受付はこれまで通りで、変更はないとのこと。これには我が家もひと安心。

今回の移民局で大きな影響を受ける可能性がある親子留学のパターンは?

今回の発表に関連して、親子留学の場合で考えてみると、大きな影響を受けるのはおそらく2パターンが考えられます。

ひとつ目は、「親の就学許可証で子供を留学させようと思っているパターン」です。親が修士課程や博士課程以外で新規に就学許可証を希望する場合、新たに各州や準州からの認証レターをもらう流れに変わったよう。ただし、その認証レターはこれまでなかったものなので、移民局から新たな発表がされて以降、目下整備中とのこと。なので、今の時点では就学許可証のサポート受付を一時中断しているエージェントがたくさんある状態です。

ふたつ目は、「家族で留学や移民を検討していたパターン」。なかでも、親のうちどちらかが学校に通い、もうひとりは配偶者向けのワークパーミット(就労許可証)で働き、カナダで収入を得ながら家族で生活をしようとしていた場合です。親のどちらかが修士課程や博士課程の留学だった場合は変更がないので問題なさそうですが、今回より、大学やカレッジへの留学だった場合は、配偶者向けのワークパーミットが出なくなるようです。もし、このようなプランを検討していた場合は、変更を余儀なくされるかもしれません。今後、数週間以内には更なる詳細やルールが発表されることになっているので、引き続き注目です。
 


ただ今回の変更はもう留学生を受け入れませんよ、というマイナスなことではなく、悪徳な業者から留学生を守るための意味合いもありますし、カナダにとって必要だと思われる人材はこれからも積極的に受け入れていく意向であるのは感じ取れました。

市民権や永住権をもっていない国に住むということは、ときに自分ではどうすることもできない壁にぶつかってしまうこともありますが、常にプランBも意識しながら、私自身もどうにか乗り越えていきたいと改めて思った次第です。

なお、ビザや永住権のことで疑問や不安があったら、移民局の公式サイトを読む、または専門の方に聞くのがいちばん近道ですし、安心です(特に、移民に関しては資格をもたない素人がアドバイスなどをすることが禁止されています)。


お知らせ! 「親子留学」のデジタルコンテンツが発売になりました

最後にお知らせをさせてください。シンクロナスさんより、デジタルコンテンツ『母子ふたりの親子留学』が発売になりました。約1年かけて月2回更新される全24話の実録エッセイと、不定期でライブ配信やオンライン対談などを予定しています。

子供の中学受験を撤退してから、なぜ親子留学の道に進むことを決めたのか、留学にはどれくらいの費用がいるのか、など、リアルタイムで起こっている出来事を交えながら執筆していきます。

現在予定している目次一覧は見ていただけますし、1話目『【親子留学】「中学受験から最終的に良い会社に入ること」が本当に子供に望むことなのか?』、2話目『【親子留学】我が子の居場所は“出る杭は打たれる”日本ではないと気がついた』は無料公開中ですので、よかったら見ていただけるとうれしいです。

紙の書籍ではなく、デジタルコンテンツというのも私にとっては新しいチャレンジで楽しみにしています。

イラスト:Shutterstock
構成・文/高橋香奈子
 


 

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