恋愛ドラマにおける“ドSキャラ”が苦手で、『花より男子』(2005年/TBS系)の場合は花沢類(小栗旬)、『彼女はキレイだった』(2015年/カンテレ・フジテレビ系)では樋口拓也(赤楚衛二)と、いつも“じゃない方”を推してきたわたし。なので、『となりのナースエイド』(日本テレビ系)の竜崎大河の紹介文に“クール”と書いてあるのを読んだとき、「高杉真宙さんは好きだけど、わたしには刺さらないかもなぁ」と思っていました。
しかし、始まってみたらびっくり。見事に大河の“沼”にハマってしまいました。SNSでも「ドSキャラ好きじゃなかったのに」とつぶやいている人が続出! ということで、本稿ではその理由を考察していきたいと思います。
※本記事には、第4話までに放送されたストーリーの重要な部分に触れる記述があります。未視聴の方はご注意ください。
ヒロイン・澪のことを尊敬しているのがいい!
ドSキャラは、お金持ちだったり社長だったりと、ヒロインよりも立場が上なことが多い。設定が似ていることから、『となりのナースエイド』と比較されていた『恋はつづくよどこまでも』(2020年/TBS系)も、新人看護師とエリート医師による恋の物語でした。経験も才能も圧倒的に敵わない相手に追いつくためにひたむきに頑張るヒロイン……というのが、ドSキャラが登場するラブコメの型のひとつです。
しかし、本作のヒロイン・澪(川栄李奈)には、天才と呼ばれる外科医だったという過去があります。姉の死によりPTSDを発症して医療行為を行うことができなくなってしまったため、現在はナースエイド(=看護助手)として働いていますが、病気を見抜く“眼”はたしか。大河さえも見落としていた症状に気づき、患者の命を救ったこともありました。
そんな彼女の凄さにいち早く気づいたのが、大河です。彼はもともと口が悪いので、澪に毒舌を吐いちゃうこともあるけれど、心の底から信頼して、頼りにしているのが伝わってくる。だから、冷たい態度を取ることがあっても、許せてしまうというか。2人の間に信頼関係が成り立っているからこそ、大河をただのツンデレでは片付けることができない。彼の優しさは、彼女の才能に一目置いているからこそ溢れ出るものなんですよね。ヒロインを振り回す“デレ”とはまた違う。横並びなところが、素敵だなと感じるんです。
Comment