大草編集長の熱烈リクエストにより、玉川高島屋S.C.で行われたミモレのイベントに出演してくれた辺見えみりさん。ご自身もミモレ世代であり、またセレクトショップ「Plage(プラージュ)」でオリジナル商品の開発からバイイングまで務めているだけあって、非常に興味深いお話をたくさんしてくださいました。

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辺見えみり タレントとしてテレビ、雑誌など幅広く活躍。自身がコンセプターを務めるセレクトショップ「Plage」も現在、代官山、有楽町、新宿、名古屋、梅田、博多と6店舗を展開するなど大人気。

イベント後に発売になったえみりさんの新刊『EMIRI Coordinate Sample Spring-Summer/182styles』を読んで、もっともっとファッショントークしたい! ということになり、後日大草編集長自らインタビュー。ミモレ世代に役に立つアイデア満載だったお話の内容を2回に分けてご紹介します。

大草:えみりちゃんのこの本、すごく新鮮な軽やかさとリラックスがあるなって思いました。ぜんぶ今すぐ真似したいと思うコーディネートになってて、売れてるの分かるなーと思いました。
辺見:ありがとうございます(笑)。元々奇抜なファッションをするほうじゃないし、かといってシンプルすぎるのはもう飽きたなと。だからどこかにエッジのきくアイテムを入れたりしているんですけど。毎日着る服に迷ったらめくってもらって、ちょっとしたスカーフの巻き方やパンツの選び方とかの「サンプル」にして頂けたらなと思って作ったんです。

永遠に好きなアイテムを
今どう着るか。まずはデニム。

コーディネートの基本はベーシックアイテム、えみりさんの本に登場するのはシンプルなシャツやTシャツ、デニム、ボーダーなどがほとんどですが、ミモレ読者にはこういったベーシックアイテムが似合わなくなってきたと悩む人がたくさんいます。「私も若い頃とはアイテム選びが変わってきた」と話すえみりさんに、ずばりベーシックアイテムの選び方についての疑問をぶつけてみました。まずはデニムについて。

全体にシンプルなスタイルだからこそ、
デニムを更新しないと古さが出る

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えみりさんも愛用しているというプラージュとジェーンスミスのコラボデニム©Satoshi Kuronuma(aosora)

▶DENIM
辺見:私、デニムは大好きなんですが、デニム難民なんです(笑)。出合ったと思っても、少し経つとなにか違う気がして、別のデニムを探し始めるんです。デニムに関してはいつも探している気がします。
大草:それって結構重要なんですよね。デニムってすごく「ナイーブ」なアイテムで、ライン、素材感、色、丈、ダメージ具合とかの移り変わりが大きいので、3年前のデニムでもどこか古さを感じさせちゃったりするんです。えみりちゃんはそれを体で感じてるから、いつもデニムを探しているんだと思う。
辺見:何が合わなくなってくるかというと、私の場合は2パターンあって、まずは「体型」。前から見たらかっこいよくはけていても、ふと全身鏡で見たときに、「ババ尻」だ〜(笑)って思ったり。ハイウエストが流行っているときに急にお腹の見え方が気になりだしたり。あとは「今っぽさ」ですかね。
大草:デニムというとベーシックなアイテムで、モードなアイテムを中和するもの、という考え方もあるけど、えみりちゃんにとっても「今っぽさ」を演出するアイテムなんですね。
辺見:昔はデニムというものは、育てていくものだとちょっと前まで思っていたんですが、全体にシンプルなスタイルだからこそ、デニムは新しくしていかないと古さが出るなと思うようになったんです
大草:ちなみに、私がいちばん好きなデニムのコーディネートは…これです(写真)。スカーフの巻き方もラフな感じのショートヘアにあっているし、着方はすごくメンズっぽいのに、「先」が全部女っぽいの。赤いリップ、赤いネイルにすごくきれいなパンプスで、これは今っぽいなーと思いました。
辺見:このパンツはすごく細身なんです。ジェースミスとプラージュでコラボしたデニムなんですが、上半身にこんなふうにボリュームを持たせる場合、ボーイフレンドデニムを合わせるとぼてっとしちゃうので。いわゆる美脚デニムにこだわっていた時代もあるんですが、少し崩し感があったほうが今のきれいめな格好にはよく合うのかなと思って、自分でダメージを入れたり、裾を切ったりしてます。
大草:自分でどうやって入れるの?
辺見:たとえば裾を切って、一度洗濯機にかけて洗うといい感じになります
大草:あ、それいいね。それならみんな真似できそう。

Tシャツで今年らしさを
取り入れてみる

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着用しているのはヘインズのTシャツ。
©Satoshi Kuronuma(aosora)

▶︎Tシャツ
辺見:あと毎年買っているのはTシャツです。ベーシックなアイテムだからこそ高くなくていいから今年のものを着たほうが素敵に見える気がします。昔流行ったTシャツを引っ張り出して来たら、小さい!ってびっくりしますよね(笑う)。自分で服を作るようになってより思ったのですが、本当に毎年サイズ感や色が違うんですよ。昔からはいていたスカートも今っぽいサイズ感のTシャツをあわせて、ペタンコをはけば一気に今年っぽくなりますよね。何年か前は、こんなヘインズのTシャツをスカートに合わせるなんて夢にも思わなかった(笑)。Tシャツは比較的買いやすいアイテムなので、色も挑戦しやすいし、今年っぽいテンションを取り入れやすいんじゃないかなと思います。
大草:たしかに、夏に何か挑戦するアイテムとしてはTシャツがいいかもしれないですね。たとえば、毎年はくスカートも合わせるTシャツを今年のものにかえたら、一気に今年らしく着れそうな気がします。

大人のボーダーアイテムは
求められてるなーって感じます

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こちらのボーダーは、ドゥロワーのもの。©Satoshi Kuronuma(aosora)

▶ボーダー
辺見:ボーダーはですね、私の場合はまず太いボーダーは着なくなりました。ちょっとオーバーサイズのものをぐしゃっと着るのが好きかな。
大草:ぴったりしてるとウォーリーみたいになっちゃうときあるもんね(笑)。
辺見:セントジェームスとかだったら、ちょっと大きめなサイズを買うようにしています。
大草:それすごく参考になるねー!大きめのほうが裾も入れやすいしね。あんなに大好きだったボーダーが似合わなくなってしまっという人はすごく多い。
辺見:でも着たいんですよね。すごくわかるんです。プラージュでは、ボーダーの生地を一回洗って色を落として、ちょっとしゃがれた感じにして大きめにして、でも首元は開くっていうものを作ったら、すごく反響があったんですね。こういうのが着たかったって。やっぱり大人のボーダーは求められているのかなと思いました。飾ってあるときはそうでもないんですけど、着てみると鎖骨がきれいに見えるんです。

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こちらのボーダーもドゥロワー。開きの広さ、ゆるっとしたデザイン、ボーダーの細さなど大人に似合いやすいボーダーのお手本のようなアイテム。©Takehiro Uochi

大草:プラージュは、ほんとうにえみりちゃんが全体に関わっている感じがすごくよく出ていますよね。以前はベージュのふんわりしたスカートを買ったんですが、今年はさらっとした麻混の春のコートとか、肉厚なカーキのシャツとか、また今年らしい色がすごく出ていてすごくよかったです。
辺見:ありがとうございます!数シーズン前からデザイナーさんと二人でシーズンの立ち上がりからコンセプトをたてて、商品全体に落とし込んでいく作業をしているので、それがいいのかもしれないですね。
大草:いま、おいくつになられたんでしたでしょうか?
辺見:39になりました。今がいちばん仕事も楽しいです。
大草:いい年齢!その楽しさがえみりちゃんの表情や本やプラージュのお店からビシバシと伝わってきます。
辺見:そうですか?それは嬉しい(笑)!

≫インタビュー後編は、5月7日(土)公開予定です。お楽しみに~!

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EMIRI Coordinate Sample Spring-Summer/182styles
辺見えみり著/ワニブックス刊/¥1500(税別)

30代最後にどうしてもやっておきたかった「オール私服!オール撮り下ろし!」のリアルコーディネートサンプル集。ベーシックなスタイルを基本に、小物で今っぽい味つけがされていて、これなら誰でも真似できそう!と大草編集長も絶賛。3月~8月まで月別に見れるので、コーディネートに悩んだときにいつでも何度でも開きたくなります。9月~2月の秋冬編も、この秋発売予定で、現在まさに撮影中とのこと!こちらも楽しみです。

 
撮影/目黒智子(2ショット)取材/大草直子 構成・文/川良咲子