いざ探してみると、ちょうどいいものが見つからないという声が多い「オケージョン服」。春に向けて、大人が納得できるお出かけ服をスタイリスト福田亜矢子さんに提案いただきます。着用するのは連載でもおなじみ、ファッションへの愛と造詣が深いエディター松井陽子さんです。

8回目のテーマは「黒」。シックな黒は、オケージョンやお出かけの日に欠かせない存在ですが、大人の黒には意外な落とし穴も。影の色でもある黒は、コーディネートによっては地味に見えたり、老けて見えたり……。今回はおしゃれしたい日に着たい「華やかな黒」について、スタイリスト福田亜矢子さんにレクチャーしてもらいます。「ワードローブはほぼ黒」という亜矢子さんならではの「黒」選びのコツも要チェックです!


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「黒は簡単」でなく「黒こそ丁寧に」!
素材の表情やリッチな質感にこだわって

黒を着て華やかな人と地味な人の違いは?「黒」を沈ませない着こなし術_img0
 

松井さん(以下、敬称略): 亜矢子さんといえば、黒(笑)! ワードローブの95%くらい、黒でしょ?

亜矢子さん(以下、敬称略):はい、ほぼ黒です(笑)。

松井:亜矢子さんは黒が本当に似合うのよね。 素肌も透明感があるから、黒とのコントラストがとってもきれいだなっていつも思ってます。私は色が黒いからか、黒って難しいなって思うこともあるの。

亜矢子: 顔立ちもあると思うんですが、私の場合は、ベーシックカラーの服だと、なんとなくまとまりすぎちゃう気がして。それを回避するためにいろいろトライして、行き着いたのが黒だったんです。黒はやっぱりモダンに映るので、ほどよく尖った感じにも見せてくれますよね。産後に体型が変化したこともあって、シャープにほっそり見せてくれるというのもポイントでした(笑)。

松井:なるほどね。私の場合は、黒の質感によって、印象が全然違ってくるのかも。冬のウールのニットってマットで沈んでしまうから、シンプルな黒のニットって意外と沈んでしまう気がしていて。黒ならいっそ光沢のブラウスとか、ニットなら毛足が遊ぶようなモヘアとか。黒は表情にクセのあるものの方がしっくりくる気がしてます。

亜矢子:それは一理あると思います。影になる色だから、「黒ならいいか」と無難に選んでしまうと地味にも転がってしまうんです。だから、松井さんの言う通り、マテリアルを吟味するのって本当に大事。さらに黒がいいのは、異なる表情の素材をいろいろ重ねるほど、華やかにもなれるし、こなれた感じにもなるところ。奥行きが生まれて、全身の印象が特別になっていく、そんなイメージ。だからスタイリングするのが楽しいんですよね。黒が好きなのはそれもあります。